プロスタグランジンと油の関係。花粉症、健康への影響は?

食用の油(オイル)には種類があり、摂取するバランスと量によって、体に良い影響も悪い影響も与えます。花粉症などのアレルギー症状にも関係があるといわれる生理活性物質「プロスタグランジン」と食用の油の関係について解説します。

<内容>

プロスタグランジンと油の関係。花粉症、健康への影響は?

プロスタグランジンとは

プロスタグランジンは、体の中でつくられる化学物質で、少ない量で体の様々な機能を調節する働きをしているので、「生理活性物質」とよばれています。プロスタグランジンは、血管の収縮・弛緩や胃粘液の分泌を調節する働きをもっています。

プロスタグランジンにはいくつもの種類があり、体への作用もそれぞれ異なります。例えば、血圧低下作用や、体の痛みや熱を伝える発熱・痛覚伝達作用、出血を止めるための血液凝固作用などがあり、プロスタグランジンの種類によっては相反する作用をもっています。
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プロスタグランジンが関係する症状

特定のプロスタグランジンが過剰になると、体に不調をきたすことがあります。例えば子宮を収縮させる作用があるプロスタグランジンE2の分泌量が多いと生理痛が重く感じるようになります。また、睡眠を誘発するプロスタグランジンD2は花粉症やアレルギー性鼻炎での鼻粘膜の炎症に関わっていることが明らかになっています。

炎症や痛みに関わるプロスタグランジンがあるため、「体に悪い」というイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、どのプロスタグランジンも、生命の維持に欠かせない重要な役割があります。体の中にあるプロスタグランジンのバランスを保つことが、体の調子を整えることにもなります。

食事で取る油とプロスタグランジンの関係

プロスタグランジンのバランスは食生活にも関係があります。プロスタグランジンは、体内で合成できず、食べ物からしか取ることができない栄養素の一つ「必須脂肪酸」から生成されます。必須脂肪酸は、植物油や動物油、魚油などに含まれており、「オメガ6脂肪酸」と「オメガ3脂肪酸」の2種類あります。

また、体の中で生成されるプロスタグランジンの種類は、体に取り込む脂肪酸の種類に影響されます。

・オメガ6脂肪酸からできるプロスタグランジン
「リノール酸」は、代表的なオメガ6脂肪酸です。リノール酸は、体内で「アラキドン酸」をつくる材料になります。炎症やアレルギー反応、痛みや発熱に関わるプロスタグランジンE2やI2などは、このアラキドン酸からつくられます。

・オメガ3脂肪酸からできるプロスタグランジン
「αリノレン酸」や「EPA」は、代表的なオメガ3脂肪酸です。これらの脂肪酸からは、炎症やアレルギー反応を抑えるプロスタグランジンE3やI3などがつくられます。

外食や総菜、揚げ物が多い現代の食生活では、炎症や痛みに関わるプロスタグランジンの元となるオメガ6脂肪酸の植物油や動物性の油を多く取り過ぎてしまいがちです。オメガ6脂肪酸を取り過ぎず、炎症やアレルギー反応を抑えるプロスタグランジンの元になるオメガ3脂肪酸を取るようにしましょう。
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脂肪酸の種類と代表的な食用油(オイル)

それでは、オメガ6脂肪酸を多く含む油、オメガ3脂肪酸を多く含む油には、どのようなものがあるのでしょうか。

オメガ6脂肪酸を多く含む油は、コーン油、ひまわり油、ベニバナ油(サフラワー油)など。これらには、リノール酸が多く含まれています。また、オメガ3脂肪酸を多く含む油は、アマニ油、エゴマ油など。これらにはαリノレン酸が多く含まれています。オメガ3脂肪酸の一つであるEPAは、イワシやサンマなどの魚の油に多く含まれていますよ。
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オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸のバランスが良い食事法

揚げ物や外食、肉ばかりの食生活では、オメガ6脂肪酸が多くなりがちで、炎症系プロスタグランジンが過剰になる傾向があります。体の不調を感じた方は、自分の食生活を振り返り、使っている油や毎日の献立を見直してみると良いでしょう。

・オメガ3脂肪酸でも取り過ぎは注意!
脂肪酸は「油脂類」なので、植物由来の油であれば、オメガ6脂肪酸、オメガ3脂肪酸にかかわらずほぼ同じカロリーです。したがって、今までの食生活にオメガ3脂肪酸系の油をただ増やすだけでは、脂質の取り過ぎになる恐れがあります。

『日本人の食事摂取基準』(厚生労働省)では、1日のオメガ3脂肪酸の摂取量の目安は、年齢や性別にもよりますが、約2g程度と定めています。

オメガ6脂肪酸の一日の摂取量の目安は約10gです。オメガ6脂肪酸は、外食や市販の総菜、揚げ物、ポテトチップスなどのお菓子や加工食品に多く含まれているので注意しましょう。これらの食品を日ごろ取り過ぎていると感じる人は、たまには自分で食事をつくってみて、油の種類や量をコントロールしましょう。

例えば、青魚のカルパッチョのドレッシングにアマニ油を使ったり、エゴマ油をいつもの納豆に混ぜて食べたりするのもおススメです。
体にいい油と食材を選び、おいしく健康的な食生活で体の調子を整えましょう。

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