解説
口臭が発生するしくみ
口臭は誰にでもあります。空気や食べ物の玄関となっている口の中には、常にさまざまな細菌が存在しています。そして、この口の中の細菌が増えると口臭の元がたくさん作られるのです。ですが、通常は唾液によって細菌が増えすぎないように抑えられているので、口臭が問題になることはあまりありません。このようにして発生する口臭を、生理的な口臭といいます。
生理的な口臭以外に“病的口臭”とよばれる口臭があります。病的口臭のほとんどは口の中に原因があります。たとえば歯周病や虫歯、歯垢や歯石、舌のコケや唾液が減少する病気などです。その中でもとくに気をつけたいのが歯周病です。
実は、日本人の7割が歯周病だといわれています。「若いから自分は大丈夫」と思っている人もいるかもしれません。ですが、30代でもすでにおよそ8割の人が歯周病なのです。そして、歯周病の原因となる細菌によって口臭は悪化します。
歯周病は歯を支えている歯ぐきのところで、食べ物のかすなどをエサにして細菌が炎症を起こす病気です。そして、もう1つの原因に“活性酸素(かっせいさんそ)”があります。活性酸素とは体内で常に作られている、殺菌力の強い物質です。口の中には常に細菌がいるので、それと戦うために作られています。細菌と戦うには強力な武器となりますが、実は強力すぎて歯ぐきそのものを傷つけてしまうこともあるのですね。すると、その傷に細菌などが入り込み、歯周病になってしまうのです。
現代では環境汚染やストレスなどにより体内の活性酸素が増えやすくなっています。増えすぎた活性酸素を取り除く物質もあるのですが、現代人では不足しているといわれています。

歯周病を防ぐ白ゴマの2つの効果
強力すぎて口の中を傷つけてしまう活性酸素が過剰に発生しないように、白ゴマで予防しましょう。
白ゴマは2つの働きで歯周病を予防してくれます。1つはゴマのもつポリフェノール。ずばり“ゴマリグナン”といい、細かく分けると“セサミン”や“セサモール”といった種類があります。これらのポリフェノールは抗酸化作用をもち、活性酸素が過剰に作られるのを防いでくれます。
そして、もう1つはゴマに含まれる“セレン”というミネラルです。セレンは活性酸素を取り除く物質を作るのに必要な成分です。つまり、白ゴマはポリフェノールで活性酸素が作られるのを抑え、できすぎてしまった活性酸素も取り除いてくれるのです。
歯周病は口臭の原因となるだけでなく、高齢になって歯が抜けてしまう原因でもあります。口臭で困っていなくても、歯周病が気になるなら白ゴマを普段の生活に取り入れましょう。ゴマのポリフェノールは殻を壊すとしっかり取れるので、食べる直前にすったゴマがおすすめです。

統計データ
月に1回以上、白ゴマを食べていない人は、自分の口臭が強くなるリスクが2.22倍になります。
A: 月に1回以上、白ゴマを食べていますか?
B: 人よりも自分の口臭は強いですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
59.9%
185人 |
40.1%
124人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
8.41%
26人 |
51.46%
159人 |
10.68%
33人 |
29.45%
91人 |
Z検定値 | 2.75 |
---|---|
オッズ比 | 2.22 |
信頼度 | 99.4% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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