片頭痛は肉を食べて防ごう!
リスク
2.33倍

片頭痛は肉を食べて防ごう!

週に1回以上、赤身肉を食べていない人は、頭の片側が痛むことが多くなるリスクが2.33倍になります。

解説

女性に多い片頭痛

頭痛にはいろいろな原因がありますが、頭の片側が痛む代表的な症状が片頭痛です。

片頭痛の特徴は、ズキンズキンと血管が脈を打つのに合わせてあらわれる痛みです。こめかみから目の周りに痛みが出ます。繰り返して片頭痛が起きる人も多く、痛みが出る前に目の前がキラキラ光って見えるという前兆がある人もいます。痛くなり始めると数時間から3日ほど痛みが続き、その間は光や音、においに非常に過敏になり、吐き気を伴う人もいます。

片頭痛という言葉の由来は「右か左、片方だけに現れる頭痛」という意味ですが、実際には両側が同時に痛くなることもあります。片頭痛を起こしやすいのは20〜40歳代の女性です。片頭痛が出ると仕事や家事に支障が出るだけでなく、寝込んでしまう人もいます。

薬を服用して症状を和らげることもできますが、できれば少しでも痛くならないように予防をしたいですね。

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赤血球を増やすと片頭痛予防に?

片頭痛のきっかけになりやすいとされている食材があり、赤ワインや熟成されたチーズはその代表です。食べているものが片頭痛のきっかけになると、「これもきっかけになってしまうのでは?」と気になりますね。ですが、脂肪の少ない赤身の肉ならば、片頭痛を減らせる可能性があります。その理由を見てみましょう。

片頭痛が起きる原因は完全に明らかにはなっていません。ですが、血管が拡張して周囲に炎症を起こし、痛みの神経を刺激しているという説が有力です。きっかけは疲労やストレス、女性ホルモンとの関連などが考えられています。それと肉とはどのように関係するのでしょうか。

ひとつは肉に含まれる鉄分です。鉄分は、血液の中で酸素をくっつけて身体のすみずみまで運ぶ役割をしている“赤血球”を増やす効果があります。赤血球が少なくなってしまうと酸素不足になりやすく、これが血管のストレスとなって片頭痛になりやすい状態を生み出しているのです。

鉄分はほうれん草や小松菜などの野菜でもとることができます。ですが、なんといっても身体に吸収されやすいのは肉に含まれるヘム鉄という成分です。肉が苦手ならば魚でもOK。どちらかといえば1食あたりの鉄分は肉の方が多めです。

肉のもうひとつの効果はたんぱく質です。たんぱく質も赤血球を作る大切な栄養素です。ですから、肉は鉄分もたんぱく質も同時にとれて血管のストレスを減らしてくれるのです。特に女性は月経があるために赤血球が不足しがちで貧血になりやすいのです。片頭痛に悩まされているのであれば、肉を積極的に食べてみましょう。

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<参考文献>
■厚生労働省 e-ヘルスネット
『鉄(てつ)』

■竹島多賀夫著 金芳堂
『頭痛外来専門医が教える!頭痛の診かた』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、赤身肉を食べていない人は、頭の片側が痛むことが多くなるリスクが2.33倍になります。

A: 週に1回以上、赤身肉を食べていますか?
B: 頭の片側が痛むことは多いですか?

A
はい いいえ
40.5%
125人
59.5%
184人
B
はい いいえ はい いいえ
9.71%
30人
30.74%
95人
25.24%
78人
34.3%
106人
Z検定値 3.33
オッズ比 2.33
信頼度 99.9%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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