ゴマは落ち込みにくい脳を作る!
リスク
1.41倍

ゴマは落ち込みにくい脳を作る!

週に1回以上、ゴマを食べていない人は、人よりも気持ちが落ち込むことが多くなるリスクが1.41倍になります。

解説

落ち込みやすい原因はセロトニン不足

つらいことがあったり、失敗をしてしまったりすると、いつまでもクヨクヨと落ち込んだり、引きずってしまう…ということがありますね。嫌なことがあってもすぐに切り替えができてポジティブに生きている人を見ると「どうして私はいつまでも落ち込んでいるんだろう」と羨ましくなってしまうことも。こんなとき、本を読んだりして切り替え方を学ぶのも良いですが、加えてゴマを試してみませんか?

落ち込む、不安になるといった感情の働きは、脳の中で三大神経伝達物質といわれるドーパミン・ノルアドレナリン・セロトニンが分泌されることで調整されています。3つの物質がバランスよく分泌されることで、精神的な安定がもたらされます。

具体的にはドーパミンは喜びや快感を、ノルアドレナリンはやる気や注意力を、そしてセロトニンは不安といった感情と関係しています。そして、落ち込みやすい人はこのセロトニンが不足している可能性があるのです。

落ち込みやすくなる病気にはうつ病がありますが、うつ病の原因の1つにはこのセロトニン不足が考えられています。そのためうつ病の治療薬には、脳の中で少なくなっているセロトニンを増やす薬が使われているのです。

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セロトニンを増やすゴマの栄養分

「薬を飲むほどではないけれど、なかなかポジティブになれない…」という人は、このセロトニンを増やす効果のあるゴマを積極的にとってみましょう。ゴマにはセロトニンの材料となるトリプトファンと、セロトニンを作るのに必要なビタミンB6の両方が含まれています。ですから、効率的にセロトニンを増やすことができます。

トリプトファンとは、必須アミノ酸の1つ。必須アミノ酸は体内で作ることができないアミノ酸です。だから食べ物で摂取することが「必須」なのですね。

ビタミンB6は水溶性ビタミンの1種です。水に溶けやすいので汗や尿といっしょに排出されやすく、日常的に摂取したほうがよいビタミンです。ビタミンB6が不足するとセロトニンが作られなくなるほかに、湿疹ができやすくなったり、足がつるといった症状が出ることもあります。お酒をよく飲む人はビタミンB6が不足しやすくなるので、その点でも積極的にとりたいビタミンです。

さらに妊娠するとホルモンの変化により、セロトニンを作るトリプトファンもビタミンB6も不足しがちになるため、しっかりとりましょう。ゴマだけをたくさん食べることは難しいですが、卓上に置いておいて、ごはんや味噌汁、サラダにふりかけて手軽に摂取することができますね。殻を壊すと消化しやすくなるので、ミル付きの容器に入れて食べる直前にすりごまにする方法もおすすめです。

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<参考文献>
■日本看護技術学会誌
『生理的,心理的ストレス指標からみた健康な成人女性に対するフットマッサージの効果』

■神奈川産業保健総合支援センター
『うつ病』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、ゴマを食べていない人は、人よりも気持ちが落ち込むことが多くなるリスクが1.41倍になります。

A: 週に1回以上、ゴマを食べていますか?
B: 人よりも気持ちが落ち込むことは多いですか?

A
はい いいえ
38.0%
377人
62.0%
615人
B
はい いいえ はい いいえ
17.64%
175人
20.36%
202人
34.07%
338人
27.92%
277人
Z検定値 2.61
オッズ比 1.41
信頼度 99.0%
集計数:992人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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