ズキンズキンする頭痛はストレス発散で対応
リスク
1.42倍

ズキンズキンする頭痛はストレス発散で対応

ストレス解消となる趣味や息抜きを意識的におこなっていない人は、頭が波打つように痛むことが多くなるリスクが1.42倍になります。

解説

ズキンズキンする頭痛は片頭痛

片方もしくは両方のこめかみに、ズキンズキンと波打つような痛みを繰り返し感じるという片頭痛。片頭痛では痛みの継続時間は人それぞれで、短時間で治まることもあれば、1週間程度続く人もいます。痛みの強さもまちまちで、人によっては頭痛が続く間、嘔吐したり寝込んだりします。片頭痛は、日常生活にも影響を与えうる頭痛なのですね。

多くの人が経験のある片頭痛ですが、片頭痛が起こりやすい人と、片頭痛があまり起こらない人がいます。片頭痛の起こりやすさには遺伝的な要素も関係しており、家族に片頭痛になりやすい人がいると、同じようになりやすい可能性があります。また、アルコールやポリフェノールの多いものを摂取すると片頭痛になりやすいこともわかっています。さらに、女性ホルモンの低下も片頭痛のきっかけとなるため、女性では生理前にも起きやすくなります。

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片頭痛とストレスの関係

そして、片頭痛が起こる大きな原因のひとつがストレスです。ストレスがかかると、精神の安定に重要な働きをしているセロトニンという神経伝達物質が分泌されます。ストレスによって乱れた心や身体を正常な状態に保とうとするわけです。しかし、脳で分泌されるセロトニンはごくわずかな上に、時間が経つとセロトニンが分解されてセロトニンの量が減少してしまいます。

実は、セロトニンには精神安定作用以外に血管を収縮させる効果があります。そのため、セロトニンが分泌されている間は頭の血管が収縮します。しかし、セロトニンが減少してくると、今度は血管が拡張するのです。すると、拡張した血管が周囲の神経を圧迫し、炎症が発生するので、片頭痛が起こるのです。

ストレス解消となる趣味や息抜きをしていない人は、長期間ストレスを感じている状態が続いてしまいます。つまり、セロトニンが分泌される期間が長くなるので、セロトニンも減少しやすくなり、片頭痛も起きやすくなってしまうというわけですね。

ちなみに、セロトニンは“トリプトファン”というアミノ酸から作り出されます。トリプトファンは、体内で作ることができない必須アミノ酸なので、食べ物から摂取しなければなりません。トリプトファンの多い食べ物は鰹節、大豆製品、ナッツ類などです。片頭痛持ちの人はトリプトファンを適度にとるようにしながら、趣味や息抜きを見つけてストレスが溜まらないように心掛けてみましょう。

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<参考文献>
■エーザイ株式会社
『片頭痛の病態と誘発因子』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

ストレス解消となる趣味や息抜きを意識的におこなっていない人は、頭が波打つように痛むことが多くなるリスクが1.42倍になります。

A: ストレス解消となる趣味や息抜きを意識的におこなっていますか?
B: 頭が波打つように痛むことは多いですか?

A
はい いいえ
66.8%
1146人
33.2%
569人
B
はい いいえ はい いいえ
12.48%
214人
54.34%
932人
8.16%
140人
25.01%
429人
Z検定値 2.86
オッズ比 1.42
信頼度 99.5%
集計数:1715人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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