家でもできる温冷浴で頭痛対策
リスク
2.03倍

家でもできる温冷浴で頭痛対策

週に1回以上、温冷浴を行っていない人は、年に1回以上、頭痛になりやすくなるリスクが2.03倍になります。

解説

慢性頭痛症を改善させる方法

頭痛には大きく分けてふたつあります。ひとつは、クモ膜下出血や脳卒中などの重大な病気の症状として出てくる頭痛で、“二次性頭痛”といいます。頭痛がこうした病気に気がつくきっかけとなることも多いため、鎮痛剤に頼るのではなく医療機関を受診するなどの対応が必要になります。

もうひとつ、大きな病気が原因ではないのに頭痛の症状を繰り返す場合は、“一次性頭痛”ともいわれる慢性頭痛症と考えられます。この慢性頭痛症には、ズキンズキンと波打つように痛む片頭痛や、血行が悪くなり首や頭の筋肉が緊張して起こる緊張型頭痛などがあります。どちらかのタイプの頭痛が起きやすい人もいれば、両方のタイプの頭痛を繰り返すという人もいます。

ストレスや過労に悩まされる現代社会において、一般的に使われることが多い「頭痛」はこの慢性頭痛症を指すといえるでしょう。日々の生活で不快な思いをしている人も多いかもしれません。この不快な頭痛を少しでも改善させるために、薬物療法や運動療法、物理療法などさまざまな治療方法があります。

自分で行える改善方法の代表的なものに、首や肩の筋肉をほぐすストレッチ体操(頭痛体操)があります。また、緊張型頭痛に対して首や肩を温めたり冷やすという温冷刺激による物理療法も効果があります。ストレッチ体操と温冷刺激をあわせて行えば、頭痛対策の効果もアップ。家で首や肩を温める簡単な方法には、温冷浴(交代浴)があります。

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温冷浴(交代浴)とは?

温めることと冷やすことは相反する刺激ですが、生理的作用としては痛みの軽減や血流の促進、筋肉のこわばり軽減など、よく似た効果が得られます。一般的に「身体を冷やす」ということには悪いイメージがあり、わざわざ冷たい刺激を身体に与えることで血流が悪くなったり筋肉がこわばってしまったりするのではと考える人も多いかもしれません。

確かに、身体を外部から冷やすと一時的に血流が抑えられます。とはいえ、これはすぐに元の状態に戻っていきます。ヒトには体内の状態を常に適切に保つ機能が備わっているからです。体内の状態を一定に保とうとする働きには、交感神経と副交感神経からなる自律神経が深くかかわっており、体温も血流も自律神経によって調節されています。

つまり、身体を冷やす行為に脳が反応すると、適切な元の温度に戻そうとして血液の流れがよくなるよう自律神経が働いてくれるというわけですね。身体を外部から温める、冷やす、を交互に繰り返すことで自律神経を積極的に刺激していきます。家庭では、お湯の浴槽と水の浴槽を用意して交互につかるということは難しいですが、温浴の後にシャワーで水をかけるといった方法があります。

温冷浴を行うときには注意点がいくつかあります。温める、冷やすの間に最低でも1分以上の休息を入れましょう。休むことで身体の反応を引き出しやすくなると同時に、身体への負担を軽減することができます。

温度の変化に身体がついていけない場合もありますので、最初は温冷の温度差を小さくして身体の反応をみながら温度差を大きくしていきましょう。また、温冷浴は刺激が強い物理療法の一つです。高血圧症や動脈硬化症などの心臓や血管に病気がある人、身体が衰弱している人は絶対に避けましょう。

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執筆 : 理学療法士 田中渉
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、温冷浴を行っていない人は、年に1回以上、頭痛になりやすくなるリスクが2.03倍になります。

A: 週に1回以上、お湯に浸かる、水シャワーを浴びることを繰り返す温冷浴を行っていますか?
B: 年に1回以上、頭痛になりますか?

A
はい いいえ
7.4%
83人
92.6%
1037人
B
はい いいえ はい いいえ
4.38%
49人
3.04%
34人
69.02%
773人
23.57%
264人
Z検定値 3.08
オッズ比 2.03
信頼度 99.7%
集計数:1120人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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