早寝早起きは慢性的な頭痛にも効く
リスク
1.68倍

早寝早起きは慢性的な頭痛にも効く

夜の12時までに就寝していない人は、週に1回以上、頭痛になりやすくなるリスクが1.68倍になります。

解説

よくある頭痛の豆知識

忙しくストレスの多い現代社会に生きる日本人には、残念ながら身体の不調はつきものです。そのなかでも、特に最近「気になる症状」として挙げられる「頭痛」。実は、厚生労働省が全国で実施している調査において、2010年までは気になる症状としてそれほど挙げられることがなかった頭痛ですが、2013年、2016年に行った調査では、女性が気になる自覚症状として、頭痛が5位にランクインしています。

多くの人が気にしている頭痛の症状ですが、国際的な学会では、その分類と診断基準を大きく3つに分けています。1つめのタイプは、他に病気が隠れているのではなく、頭痛の症状を繰り返したり持続したりする頭痛、すなわち慢性的な頭痛です。このタイプの頭痛の代表的なものとして、“片頭痛”や“緊張型頭痛”があります。

2つめのタイプは、クモ膜下出血や脳卒中など、脳や頭部の病気が原因となっている頭痛です。3つめのタイプは、おもに“頭部神経痛”、“三叉神経痛”などの神経が原因で生じる頭痛です。こうした重大な病気が原因で頭痛が起きている場合は、医療機関を受診して治療する必要があります。しかしながら、日常生活で最も身近な頭痛はというと、やはり1つめのタイプの片頭痛や緊張型頭痛でしょう。

片頭痛や緊張型頭痛のきっかけになったり、症状をさらにつらくしたりする原因には、ストレスや精神的な緊張、疲れ、睡眠の問題などさまざまな生活習慣や社会的要因があります。

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早寝早起きのメリット

慢性頭痛の診療ガイドラインによると、片頭痛の患者さんのおよそ3割が睡眠不足であるとされています。また、片頭痛に悩んでいる人には、眠っている間に呼吸が止まってしまう“睡眠時無呼吸症候群”という問題を抱えている人も多いといわれています。さらに、睡眠時間が長過ぎると、睡眠の質が低下するため、片頭痛などの慢性頭痛になりやすいとされています。

このように、片頭痛などの慢性頭痛に悩む人の多くは、睡眠にまつわるトラブルを抱えている人が多いのですね。適度な時間睡眠をとるだけでなく、良質な睡眠をとることも、慢性頭痛の予防や改善に重要なのです。

睡眠時間と睡眠の質、両方をしっかり確保するためには、早寝早起きの生活を心がけることが大切です。規則正しい睡眠リズムを習慣化し、体内リズムを整えるためには、夜の12時を過ぎてから寝ることは避けましょう。

早寝早起きすると、慢性的な頭痛の予防だけでなく、自律神経がうまく調節されたり、気分の落ち込み予防になったりと、さまざまなメリットがあります。健康を維持するために、食生活・運動習慣に加えて、早寝早起きを常に意識したいですね。

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<参考文献>
■厚生労働省
『平成28年 国民生活基礎調査の概況』

■日本頭痛学会
『国際頭痛分類』

■日本神経学会・日本頭痛学会
『慢性頭痛の診療ガイドライン2013』

執筆 : 理学療法士 田中渉
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

夜の12時までに就寝していない人は、週に1回以上、頭痛になりやすくなるリスクが1.68倍になります。

A: 夜の12時までに就寝していますか?
B: 週に1回以上、頭痛になりますか?

A
はい いいえ
43.5%
316人
56.5%
410人
B
はい いいえ はい いいえ
7.58%
55人
35.95%
261人
14.74%
107人
41.74%
303人
Z検定値 2.79
オッズ比 1.68
信頼度 99.4%
集計数:726人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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