繰り返す頭痛はほうれん草で抑えよう!
リスク
1.44倍

繰り返す頭痛はほうれん草で抑えよう!

週に1回以上、ほうれん草を食べていない人は、年に1回以上、頭痛になりやすくなるリスクが1.44倍になります。

解説

頭痛の種類

頭痛にはさまざまな種類があり、頭痛の原因となる病気をもっていないのに慢性的に頭痛が続く“一次性頭痛”と、何らかの病気が原因で頭痛が起きる”二次性頭痛”があります。一次性頭痛はさらに細かく分類することができ、“緊張型頭痛(きんちょうがたずつう)”や“片頭痛(へんずつう)”、“群発頭痛(ぐんぱつずつう)”などがあります。

緊張型頭痛とは、ストレスや同じ姿勢を長く続けることで首や頭の周りの筋肉が緊張してしまって起きる頭痛を指します。頭全体が締め付けられるような痛みが特徴です。

片頭痛は、血管が拡張して炎症を起こしているための痛みと考えられています。ズキンズキンと血管が脈打つのに合わせて感じる痛みで、痛みが出る前に目の前がキラキラ光って見えることがあります。「片頭痛」の名前は、右か左の片方だけが痛むことが多いことが由来ですが、両方が同時に痛むこともあります。

群発頭痛は目の奥にある動脈の血管が拡張し、炎症が起きることが原因で引き起こされると考えられています。目の奥に激しい痛みを感じることから、眼科を受診する人も多く、そこで初めて群発頭痛の可能性が示されることもあるのです。

病気が原因ではない一次性頭痛は、いずれも一度治っても再び症状があらわれることがあります。また、これらの頭痛がひどいときには、学校や仕事を休まなければいけないほど症状が強いこともあります。もちろん病院に行けば治療を受けることができますが、頭が割れるほど痛いときに病院にかかるのは大変ですね。病院を頼らず、頭痛を抑えるためには、ふだんの生活を見直すことが大切です。特に、食生活は頭痛の緩和に密接に関わっています。頭痛に効果が期待できる食べ物はさまざまありますが、そのなかでもとりわけ優秀なのが、ほうれん草です。

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ほうれん草がもつ頭痛を抑える成分

緑黄色野菜の代表的な野菜でもあるほうれん草には、頭痛を抑えてくれる栄養素が豊富に含まれています。ほうれん草には鉄分が多く含まれていることは有名ですが、この鉄分が頭痛を抑えてくれる栄養素のひとつなのです。鉄分は、血液中の成分である赤血球のヘモグロビンをつくる材料です。赤血球のヘモグロビンは、酸素を運ぶ役割を担っているので、鉄分が不足してしまうとヘモグロビンの量も減ってしまいます。その結果、赤血球も少なくなり、身体のすみずみまで酸素を運ぶことができなくなってしまうのです。

すると、脳の酸素量が低下して血管に炎症を起こしたり、首や肩の血流が悪くなったりしてしまいます。鉄分不足は片頭痛の原因にも緊張型頭痛の原因にもなりうるのですね。

さらに、ほうれん草に含まれるマグネシウムは血管の収縮を予防してくれます。血管が収縮すると血流が悪くなるため、緊張型頭痛が起きやすくなります。また片頭痛や群発頭痛など、血管が拡張することで起こる頭痛は、血管が収縮することがきっかけとなって血管の拡張が引き起こされる場合もあります。この場合もマグネシウムは有効といえるでしょう。

反対に、片頭痛のきっかけになる食べ物として、アルコール(特に赤ワイン)や熟成度の高いチーズ、かんきつ類などがあります。激しい運動や強い光、タバコの煙や強いにおい、食事を抜くといったこともきっかけになるため、片頭痛の場合はこれらを避けてみることも予防になるでしょう。

ひどい頭痛や繰り返す場合は、まずはほかの病気が隠れていることを考えて、医療機関を受診してみましょう。その上で紹介したようなタイプの頭痛と診断された場合は、ほうれん草を食事に取り入れてみましょう。

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<参考文献>
■厚生労働省 e-ヘルスネット
『鉄(てつ)』

■竹島多賀夫著 金芳堂
『頭痛外来専門医が教える!頭痛の診かた』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、ほうれん草を食べていない人は、年に1回以上、頭痛になりやすくなるリスクが1.44倍になります。

A: 週に1回以上、ほうれん草を食べていますか?
B: 年に1回以上、頭痛になりますか?

A
はい いいえ
29.8%
353人
70.2%
830人
B
はい いいえ はい いいえ
20.46%
242人
9.38%
111人
53.25%
630人
16.91%
200人
Z検定値 2.63
オッズ比 1.44
信頼度 99.1%
集計数:1183人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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