ホルモンを食べて銅と亜鉛を摂取しよう!
リスク
7.13倍

ホルモンを食べて銅と亜鉛を摂取しよう!

月に1回以上、ホルモンを食べていない人は、感動することが少なくなるリスクが7.13倍になります。

解説

銅と神経の働き

“ホルモン”や“モツ”とも呼ばれる内蔵肉は、昔は敬遠する人も多かったものの、今では専門店やB級グルメとして話題になるなど、男性にも女性にもファンが増えています。その種類も食べ方もバラエティに富んでいて、焼き鳥ではレバーやハツ(心臓)を楽しみ、イタリア料理では牛のハチノス(2番目の胃袋)のトマト煮が好き、という人もいるかもしれません。

また、焼肉で人気のハラミ、サガリ、メンブレンはどれも牛の横隔膜の周辺の肉のこと。また、「シロモツ」は、牛のミノ(1番目の胃袋)やショウチョウ(小腸)などの消化器とコブクロ(子宮)、豚のガツ(胃)、ショウチョウなどがミックスされています。

こうしたホルモンに多く含まれる栄養素は鉄と亜鉛、そして銅です。中でも、特に感動、つまり感情の動きについて関係しているのは銅と亜鉛です。

銅は体内では血液を作る働きに関わっており、腸で鉄が吸収されるのを助けてくれます。さらに骨の中で赤血球を作るときに鉄を利用しやすくする役割を持っているため、銅が不足すると貧血になります。また銅は神経の働きに関わる物質“ノルアドレナリン”と“ドーパミン”、“セロトニン”のすべてを作る働きにも関係しています。

ノルアドレナリンはやる気に関連したホルモンで、分泌が多くなると感情が豊かになります。それだけでなく集中力や記憶、積極性などにも関連しています。ストレス社会の現代においては、このノルアドレナリンが適度に分泌されることによりストレスと戦ったり、もしくは上手にストレスを回避することが可能となります。しかし、ノルアドレナリンが不足するとこれらの働きがうまくできなくなり、外からの刺激に対して反応しづらくなってしまうのです。

ドーパミンもノルアドレナリンと似ていて、やる気や意欲に関係しています。そして快楽や楽しいという感情にも関係しています。そのためドーパミン不足がおきると楽しいという感情が生まれにくくなります。

セロトニンはうつ病に関連してよく話題になる物質で、別名「幸せホルモン」と呼ばれています。不安を抑えて、意欲を増やす物質であり、不足すると不安になりやすくなり意欲低下がみられます。

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ポイントはバランスよく銅と亜鉛を摂取すること

銅はこれら3つの物質を作る働きに関連しているため、銅不足は神経の働きに影響し、感情が乏しくなってしまいます。体内では銅は基本的にそれほどたくさんの量が必要ではないため、普通の食事をしていれば銅の不足はおこりません。わざわざ意識してとる必要もないのです。

しかし、最近のあるブームにより銅不足になる人が出てきています。それはサプリメントによる亜鉛摂取です。亜鉛は、精力や薄毛を改善でき、美容効果もあるのでサプリメントでの摂取が流行しているというわけです。ところが、銅と亜鉛には、銅を過剰に摂取すると亜鉛が吸収されにくく、逆に亜鉛が多いと銅が吸収されにくくなってしまうという関係があるのです。

確かに亜鉛にはよい効果がありますが、その裏で亜鉛の過剰摂取は銅不足になる危険性があるということも忘れてはいけません。できればこれらの栄養素はサプリメントでとるのではなく、銅も亜鉛も含んでいるホルモンを食べてバランスよく摂取することをおすすめします。

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<参考文献>
■せせらぎメンタルクリニック|精神科・心療内科
『セロトニンにはどんな作用があって、どうすれば増えるのか』

■田中消化器科クリニック
『No.022 亜鉛のチカラ』

■全国食肉公正取引協議会
『お肉の表示ハンドブック2013』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

月に1回以上、ホルモンを食べていない人は、感動することが少なくなるリスクが7.13倍になります。

A: 月に1回以上、ホルモンを食べていますか?
B: 感動することが少ないほうですか?

A
はい いいえ
10.7%
33人
89.3%
276人
B
はい いいえ はい いいえ
0.65%
2人
10.03%
31人
28.16%
87人
61.17%
189人
Z検定値 3.05
オッズ比 7.13
信頼度 99.7%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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