解説
なんとなくダルくてやる気が出ない。肩こりもひどいし、爪がへこんでしまってネイルのおしゃれもできない…こんな困った症状を引き起こすのが、鉄が足りないことで起きる“鉄欠乏性貧血”です。しかも、この症状は実はストレスと関係が深いんです。
鉄は、血液の中で全身に酸素を運ぶ大切な役割を果たしているミネラルです。激しい運動をしたり、女性の場合は月経などでも減っていってしまうので、一定の量をずっと取り続けることが必要です。
ですが、ストレスを感じているときなど、毎日きちんと食事で鉄を補うのは意外に難しいんです。ストレスは胃のもたれや痛みなどお腹の症状を起こすことがあります。胃腸の調子が悪いときに「鉄の豊富な赤身の肉やレバーを食べましょう」といわれても食欲がわかないですよね。結果として、これが貧血につながりやすくなるというわけです。
それだけでなく、重いストレスが続くと、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの病気になることがあります。こうした消化器の病気では、身体の中で少しずつ出血しているため、病気そのものが貧血の原因にもなるんです。
毎日の食生活に気を使うのはもちろんですが、積極的に息抜きや趣味の時間をとって、貧血の原因にもなるストレスを減らしましょう。
また、貧血と低血圧は症状がよく似ています。赤身肉やひじきなど鉄を意識した食事をしているのに、めまい、だるさ、ふらつきがある場合は、低血圧の可能性大です。
血圧とストレスはとても深い関連があります。過度なストレスは低血圧を引き起こします。ですので、ストレスは溜めずに穏やかな生活を心がけましょう。そして少しでもストレスを感じたらすぐに発散する、または息抜きをして気持ちを入れ替える、ということを意識しましょう。
ストレスを感じたとき、暴飲暴食して発散する人がいますが、これでは逆に低血圧を引き起こします。不健康になっては元も子もありませんのでこれはやめましょう!ストレスを発散できる別の方法を探してみてくださいね。

<参考文献>
■安保徹著 PHP研究所
『免疫力が上がる生活 下がる生活』
編集 : 日本健康情報センター
統計データ
ストレス解消となる趣味や息抜きを意識的に行っていない人は、貧血になりやすくなるリスクが2.18倍になります。
A: ストレス解消となる趣味や息抜きを意識的におこなっていますか?
B: 貧血ですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
66.0%
190人 |
34.0%
98人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
13.89%
40人 |
52.08%
150人 |
12.5%
36人 |
21.53%
62人 |
Z検定値 | 2.86 |
---|---|
オッズ比 | 2.18 |
信頼度 | 99.5% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
>数値の見かたはこちら