笑いは感動をよび起こす!
リスク
4.9倍

笑いは感動をよび起こす!

よく笑う生活をおくっていない人は、感動することが少なくなるリスクが4.9倍になります。

解説

感動することでストレスを減らす!

「感動」とは、辞書によると「深くものに感じて心を動かすこと」とされています。そこにはさまざまな感情が含まれています。例えば、何かに感謝する、胸が熱くなる、発見に驚く、ワクワクする、もの悲しさを感じる、感情のままに激しく泣く、などです。これらは感動からうまれる感情や動作です。

感動は単に心が反応したというだけではなく、ストレスを取り除く効果があります。例えば映画の主人公に共感して流す涙は、緊張や不安を取り除くことがわかっています。

ところが、現代では仕事や人間関係を円滑にするために、あまり感情的にならないほうがよいとされています。たしかに社会の中では、ちょっとしたことで怒ったり泣いたりすると、その後の仕事や人間関係に悪影響を与える場合があります。

とはいえ、本来、感動とは自分の意思で思いのままにコントロールできるというものではありません。自然に湧いてくるものなので、それを無理に抑えつけることそのものがストレスになります。さらに、怒りや悲しいといった感情を日常的に抑えていると、無意識にこれらのネガティブな感情を感じないように脳が変化してしまいます。すると、喜びや満足といったポジティブな感情まで感じにくくなってしまうのです。

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笑顔で増えるセロトニンが感動につながる

では、笑顔でいることにはどんな効果があるのでしょうか?笑うことにより、脳の中でいろいろなホルモンの分泌が増えることがわかっています。特に注目してほしいホルモンが“セロトニン”です。

セロトニンは「幸せホルモン」ともよばれていて、セロトニンがしっかり分泌されていると感動しやすくなり、さらに感動するとセロトニンが増えるのです。逆にセロトニンが不足する症状がうつ病です。うつ病になると意欲や感情が表れにくくなります。うつ病の治療法の1つに、セロトニンの分泌を促す薬の服用があります。

面白い映画やドラマを観たり、漫画を読んで日常的に笑えるとよいですね。「そんな気分ではないし…」と思ってしまうときでも、口角を上げて笑った顔を作ってみましょう。実は口角を上げるだけでもセロトニンの分泌が増えることがわかっています。セロトニンが分泌されやすい脳へと自分を作っていくことで、普段の日常生活でも感動しやすくなり、ストレスの溜まりにくい体質になることができるのです。

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<参考文献>
■ストレス科学研究
『情動性の涙のストレス緩和作用に関する研究』

■厚生労働省 e-ヘルスネット
『失感情症(アレキサイミア)』

■日本補完代替医療学会誌
『補完代替医療としての笑い The Laughter Therapy』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

よく笑う生活をおくっていない人は、感動することが少なくなるリスクが4.9倍になります。

A: よく笑う生活をおくっていますか?
B: 感動することが少ないほうですか?

A
はい いいえ
60.5%
187人
39.5%
122人
B
はい いいえ はい いいえ
9.71%
30人
50.81%
157人
19.09%
59人
20.39%
63人
Z検定値 6.13
オッズ比 4.9
信頼度 99.9%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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