解説
あなたはどんなときに怒りますか?嫌なこと、理不尽なことがあったときではないでしょうか。もともと人間はそのような悪いものを跳ねのけようとする力を持っています。その代表的な反応が「怒り」なのです。精神的ダメージを受けたときでも、すぐ戦ったり、逃げたりできるよう、身体が準備しているのです。怒ることそのものは、悪いことではないんですよね。
でも、怒ってばかりいると胃腸がうまく働かなくなり、人によってはお腹が痛くなることがあります。なぜなら、怒りを感じると、脳から腸につながっている神経を通して「今は食べ物を消化する普段の活動はお休み」という指令を出すからです。その指令に従って、胃腸はお休みしてしまうので、消化が進まずお腹が痛くなってしまうのです。
「なんであんなこと言うの!?」「失礼な人だなあ!」ムカッとくることがあったとしても、感情にまかせて怒ってばかりいてはダメですよね。そのたびにお腹が痛くなっても困りますし。
そこで、怒りを感じた場合にはその感情をコントロールすることが大切です。いったん冷静になり深呼吸して、怒りやイライラを静めてから相手に「こういう理由で怒っている、失望している」「○○して解決したい、こうしてほしい」と自分の意見を落ち着いて伝えましょう。
怒りを溜め込むと、過度なストレスを感じるようになり、身体的にもつらい不調が続いてしまう原因になります。怒りを冷静な行動に変えるコントロール、ぜひ実践してみてくださいね。

<参考文献>
■Harvard Health Publications
『Stress and the sensitive gut』
■MAYO CLINIC メイヨー・クリニック
『Anger management: 10 tips to tame your temper』
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
怒りっぽい性格の人は、年に1回以上、胃痛になるリスクが1.93倍になります。
A: 自分はあまり怒りっぽくない性格だと思いますか?
B: 年に1回以上、胃痛になりますか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
42.0%
121人 |
58.0%
167人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
16.32%
47人 |
25.69%
74人 |
31.94%
92人 |
26.04%
75人 |
Z検定値 | 2.72 |
---|---|
オッズ比 | 1.93 |
信頼度 | 99.3% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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