えごま油で風邪知らずの身体を作ろう
リスク
1.97倍

えごま油で風邪知らずの身体を作ろう

週に1回以上、スプーン1杯程度のえごま油を取っていない人は、年に1回以上風邪を引きやすくなるリスクが1.97倍になります。

解説

青魚と同じ成分がえごま油に。DHAとEPAの効果とは?

えごま油は、シソ科のえごまという植物の種を搾ってできる油のことです。近年では、亜麻仁油(あまにあぶら)とともに健康にも良いということでブームになっています。

えごまは東南アジアが原産ですが、日本でも縄文時代から食されてきたといわれ、長野県諏訪市にある荒神山遺跡では、えごまの種子が出土されたと記録されています。えごまが油として使われるようになったのは平安時代初期で、食用のほかに灯明用にも使用されてきました。

えごま油には、“αリノレン酸”といわれる脂肪の一種がたっぷり含まれています。この種類の脂肪は人の体内で作ることができないため、食品から取る必要があります。このαリノレン酸は、体内で青魚に含まれる栄養素と同じDHAやEPAに変わります。DHAやEPAは、血液をきれいにして血管の弾力性を高め、動脈硬化や心臓病などの生活習慣病を予防してくれます。また、抗アレルギー作用、抗炎症作用、認知症予防、コレステロールや中性脂肪の低減など、さまざまな効果も持っています。

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えごま油の適量は?

αリノレン酸は、免疫機能を正常化させて免疫力をアップする効果があります。免疫力を高めて風邪を引かないようにしてくれるということですね。また、身体が冷えると免疫力も低下してしまいます。えごま油に含まれるビタミンEは強い抗酸化作用を持つビタミンであり、抗酸化作用は血流を良くする効果もあります。ビタミンEは血流を改善し身体を温めることで、免疫力が低下しないようにして風邪を引くのを防いでくれるというわけです。

このように、えごま油には、αリノレン酸とビタミンEといった風邪予防に効果が期待できる栄養素がダブルで含まれているのです。また、αリノレン酸が頭痛などの痛みを緩和するという報告もされています。

えごま油は、酸化しやすい油であるため、加熱せずにサラダやカルパッチョ、和え物などにそのままかけて使うのがおすすめです。炒めものや揚げ物など加熱すると効果が薄れてしまいますので注意しましょう。

えごま油は、えごまの種子を炒ってから搾ったものと生のまま搾ったものがあります。焙煎したタイプは色が濃くなります。色の違いは成分の違いを示すものでなく、同じように少量を冷蔵庫で保存し、早めに使い切るようにしましょう。

風邪予防には、ビタミンEが豊富なアボカドやかぼちゃ、βカロテンが豊富なニンジンを加えたサラダにえごま油のドレッシングをかけたり、同じくビタミンEが多いアーモンドをトッピングしたりしてもよいでしょう。野菜に多く含まれるビタミンCは、ビタミンEと同様に抗酸化作用があるのでしっかり取りたいですね。

えごま油は健康に良いとはいえ油ですから、取りすぎるとカロリーオーバーの原因になります。1日にスプーン1杯程度を目安に取るようにしましょう。

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<参考文献>
■日本緩和医療薬学雑誌
『新規疼痛制御物質としての不飽和脂肪酸の現状と今後の展望』

■独立行政法人国民生活センター
『見た目だけでは分からない、えごま油の品質』

■太田油脂株式会社
『〜ベジタブルオメガ3「えごま油」の誕生〜食用化への利用開発』

執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、スプーン1杯程度のえごま油を取っていない人は、年に1回以上風邪を引きやすくなるリスクが1.97倍になります。

A: 週に1回以上、スプーン1杯程度のえごま油を取っていますか?
B: 年に1回以上風邪を引きますか?

A
はい いいえ
8.3%
98人
91.7%
1085人
B
はい いいえ はい いいえ
4.65%
55人
3.63%
43人
65.68%
777人
26.04%
308人
Z検定値 3.21
オッズ比 1.97
信頼度 99.8%
集計数:1183人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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