解説
目の健康にDHA!血管も健康になって一石二鳥
しらすを月に1回以上食べていると、視力低下のリスクを減らせるといわれています。一般的にしらすとは、主にマイワシやカタクチイワシなどの魚の稚魚のことをいい、しろうおなどの魚とはまた別のものを指します。
しらすには、青魚に多く見られる、血管を健康にするDHAやEPAと呼ばれる脂肪酸を多く含んでおり、動脈硬化や脳卒中などの生活習慣病を防いでくれます。
特に、DHAは脳や神経系の機能を高める効果があり、目の健康とのつながりが深い栄養素です。DHAは体内に存在し、特に高濃度に存在する臓器が、脳と目の網膜です。視神経は脳の機能の一部でもありますので目の健康を正常に保つ為には、DHAをしっかりとることが大切になってきます。
ですが、このDHAは体内では作ることができない栄養素なので、食べ物で補っていく必要があるのです。DHAは加熱に弱く酸化しやすいので、抗酸化作用が強い緑黄色野菜や、ごまなどのビタミンEなどと一緒に食べるのがおすすめです。しらす丼にごまをプラスしてみたり、緑黄色野菜のサラダを副菜にしても良いでしょう。

DHAのほかにも優秀な栄養素がたっぷり
しらすには、脳や視神経の働きを助けるDHA以外に、骨を作るカルシウムやビタミンD、疲労回復効果のタウリン、糖質の代謝に関係するビタミンB1、脂質の代謝に関係するビタミンB2、美肌成分のメチオニンなどさまざまな栄養素がぎゅっと詰まっています。魚を丸ごと食べることができますので栄養素を効果的にとることができます。
また、カルシウムの吸収に良いビタミンDも併せ持っているので、しらすを食べることでカルシウムをしっかり吸収し、とることができます。マグネシウムもカルシウムの吸収を良くしますので、ナッツ類、ひじき、わかめ、ごまなどのマグネシウムが多い食品も一緒にとると良いでしょう。カルシウムとマグネシウムの比率は2:1くらいが理想です。
日本人はカルシウムが不足しているといわれていますので、しらすを食べることで、目の健康と骨の健康が期待できます。しらすの旬は春と秋の2回といわれています。旬の時期は脂のりも良く栄養素もしっかり含まれていますので、目の健康を気にしている人は意識してとるように心がけましょう。

<参考文献>
■山口県漁協 おさかな図鑑
『しろうお(素魚)』
■ふじのくに 静岡県公式ホームページ
『しらすの生産額、しらす干し生産量 日本一』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
月に1回以上、しらすを食べていない人は、目が悪くなるリスクが2.0倍になります。
A: 月に1回以上、しらすを食べていますか?
B: 目が悪いですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
38.8%
120人 |
61.2%
189人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
23.62%
73人 |
15.21%
47人 |
46.28%
143人 |
14.89%
46人 |
Z検定値 | 2.77 |
---|---|
オッズ比 | 2.0 |
信頼度 | 99.4% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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