解説

いつの間にか襲ってくる頭痛。できれば頭痛薬に頼らずに痛みを抑えたい、という人も多いのではないでしょうか。
頭痛の原因のひとつは、頭にある大きな血管が広がってしまって起こる炎症にあります。この炎症を抑えることが、頭痛を予防する第一歩なんです。
そこでおすすめなのが、えごま油。
えごま油は、シソの仲間であるえごまの種から作られる油で、“α-リノレン酸”という物質がたくさん含まれています。なんと、よく使われている大豆油の8倍の量が含まれているそうですよ。
えごま油に含まれているα-リノレン酸は、身体の中で、DHAやEPAといった炎症を抑える物質に変わります。このDHAやEPAが頭の痛みを抑えてくれるわけですね。
ただし、身体によいとはいえ、えごま油も油のひとつ。1日あたりに必要な油の量を超えないように、「1食あたりの量は大さじ1杯程度が適切」と覚えておくといいですね。

現代人には不足気味?身体の痛みを抑えるDHAやEPA
頭痛は現代人を悩ませる症状のひとつですね。頭痛薬で症状を抑えることはできますが、眠気などの副作用も気になるところです。「薬を使わずに頭痛を予防することができればなあ…」と思う人も少なくないと思います。
そこで、注目したいのが“α-リノレン酸”という物質です。α-リノレン酸は油の一種で、身体の中でDHAやEPAに変わります。
DHAやEPAは、心筋梗塞や脳梗塞、大腸がんや乳がんを防いだり、アレルギーの症状を軽くしたりといった働きがあります。そのうえ、炎症を起こりにくくする働きをもつことが、最近の研究で明らかになってきたのです。
頭痛は、頭にある大きな血管が広がって炎症が起こることで引き起こされることがあるので、DHAやEPAをとることで、頭痛から解放されるかもしれませんね。
ただ、このα-リノレン酸は身体の中では作ることができないので、食事から取る必要があります。しかし、現代人の食生活ではα-リノレン酸が十分に取れているとはいえないようです。では、何をどのくらい食べれば、α-リノレン酸を多く取ることができるのでしょうか。

えごま油を正しく食べて痛み知らずに!
α-リノレン酸を取るのにおすすめなのが、えごまの種を絞ってつくる、えごま油です。含まれているα-リノレン酸の量は、サラダ油によく使われている大豆油の8倍。同じ量の油でも、えごま油であれば、より多くのα-リノレン酸を取ることができるんですね。
ただし、身体によいとはいえ、えごま油も油のひとつ。1gあたりのエネルギー量はほかの油と同じですから、取りすぎると太ってしまったり、健康によくない影響があるかもしれません。
1日に取るべき油の量は、女性ならば全部で大さじ4杯程度です。1食あたりの量は、これを超えないよう大さじ1杯くらいにしておきましょう。
また、えごま油は酸化しやすいので、短い期間で使いきれる量のものを選ぶとよいでしょう。開けた後は、冷蔵庫で保存して早めに使い切るようにしたほうがよいですね。
さらに、えごま油は熱を加えても酸化しやすいので、調理油として使うよりも、サラダやキムチにかけたり、納豆に混ぜたり、オリーブオイルと同じようにパンにつけて食べたり、お酢やレモン汁と合わせたドレッシングにしたりするなど、生のまま食べるのがおすすめです。
えごま油を正しく取って、頭痛知らずの身体を作りましょう。

<参考文献>
■日本緩和医療薬学雑誌 4:45-51(2011)
『新規疼痛制御物質としての不飽和脂肪酸の現状と今後の展望』
■日本農芸化学会誌 Vol.62
『α-リノレン酸の必須性と機能』
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
週に1回以上、スプーン1杯程度のえごま油を取っていない人は、年に1回以上、頭痛になるリスクが6.66倍となります。
A: 週に1回以上、スプーン1杯程度のえごま油を取っていますか?
B: 年に1回以上、頭痛になりますか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
2.8%
8人 |
97.2%
280人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
0.69%
2人 |
2.08%
6人 |
67.01%
193人 |
30.21%
87人 |
Z検定値 | 2.62 |
---|---|
オッズ比 | 6.66 |
信頼度 | 99.1% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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