筋力アップで倦怠感を卒業
リスク
1.47倍

筋力アップで倦怠感を卒業

週に2回以上、筋力トレーニングを行っていない人は、日中に眠気やだるさを感じることが多くなるリスクが1.47倍になります。

解説

何ともいえない倦怠感の原因

「寝不足というわけではないのに日中でも眠い」や「なんだかだるくて仕事も進まない…」と、眠気やだるさを感じることはないでしょうか。こうした眠気やだるさの原因はさまざまです。胃腸や肺、心臓などの病気が隠れている場合や、過度のストレスや自律神経の乱れ、栄養不良などの生活スタイルが原因の場合もあります。さらに、ウイルス性の感染症やアレルギー性の病気にかかっている場合でもだるさを感じることもあります。また、原因はひとつだけとは限らず、複数の原因が絡み合っていることも多くあります。

眠気やだるさにはさまざまな原因がある一方で、眠気やだるさのもっとも分かりやすい原因に筋力低下があります。人は筋肉を収縮させたり弛緩させたりすることで動いています。座っているときであっても、背骨や骨盤まわりの筋肉、お腹の筋肉を無意識に収縮させたり弛緩させたりしています。歩くとき、階段を上るとき、ベッドから起き上がるとき、日常のちょっとした行動には全て筋肉が働いているわけです。

ところが、現代では自家用車やエレベーターなどが普及して、足腰の筋力を使うことが少なくなっています。このような生活習慣によって、知らない間に慢性的な筋力低下に陥っていることがあるのです。

こうした状態が長く続くと、中高年や高齢になって生活習慣病につながるおそれのある“ロコモティブシンドローム”と呼ばれる症状が出るリスクが高まります。ロコモティブシンドロームとは、運動不足によって筋力低下や持久力の低下、バランス機能の低下などが起き、日常生活が困難になったり転倒リスクが増えたりする症状です。身体を動かす能力が衰えることで、認知症が悪化するといった問題にもつながってきます。

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筋力トレーニングを活用して日常的な運動不足を解消

運動不足による筋力低下からくる眠気やだるさの改善には、筋力トレーニングが抜群の効果を発揮します。筋力を増強するためには、週に1回程度の筋力トレーニングでは足りません。少なくとも週に2〜3回行うことが適切とされています。筋力トレーニング後には、筋肉の材料となる肉や魚、豆類などのタンパク質や、エネルギー源となる適量のご飯などの糖質といった栄養をとることも強い筋肉を作るために重要です。

筋力トレーニングによって筋力を維持し、日常生活に活かすことで、免疫力が強くなったり自律神経が整うといった効果もあります。たとえば1日の歩く量や階段を上る量を増やす、好きなスポーツを楽しむなど、日常生活の中で少しずつ運動量を増やすように心がけましょう。また、運動するときには、筋力トレーニングの後に有酸素運動やバランス運動などをするといったように、数種類の運動を組み合わせると、だるさをさらに解消しやすくなります。

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<参考文献>
■広島体育学研究
『週1回の授業におけるレジスタンストレーニングが大学生の筋力に及ぼす影響』

■芳賀脩光、大野秀樹編集 杏林書院
『トレーニング生理学』

執筆 : 理学療法士 田中渉
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に2回以上、筋力トレーニングを行っていない人は、日中に眠気やだるさを感じることが多くなるリスクが1.47倍になります。

A: 週に2回以上、筋力トレーニングを行っていますか?
B: 日中に眠気やだるさを感じることは多いですか?

A
はい いいえ
18.8%
234人
81.2%
1011人
B
はい いいえ はい いいえ
11.33%
141人
7.47%
93人
56.06%
698人
25.14%
313人
Z検定値 2.58
オッズ比 1.47
信頼度 99.0%
集計数:1245人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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