ナスの意外な栄養素が集中力につながる?
リスク
1.86倍

ナスの意外な栄養素が集中力につながる?

週に1回以上、ナスを食べていない人は、人よりも集中力が続かなくなるリスクが1.86倍になります。

解説

暑い時期に夏野菜を食べる理由は?

ナスはインド原産の野菜で、中国を通して奈良時代に日本に伝えられたとされています。ナスの品種や形状も多く、炒めものなどでおなじみの長ナス、漬けものにする小ナス、京野菜のひとつで田楽などにする賀茂ナス、あくの少ない水ナスなど、さまざまなナスが栽培されています。また、「一富士、二鷹、三ナスビ」ということわざのように、縁起が良い野菜としても知られています。

今では1年を通してナスが手に入りますが、もともとは6月〜9月が旬の野菜です。家庭でも夏の暑い季節に食卓にのぼることが多いでしょう。夏の暑い季節に出回るナスやきゅうり、トマトなどは夏野菜と呼ばれる野菜です。夏野菜には水分やカリウムなどが多く含まれているため、旬の時期に食べると身体の熱をクールダウンしてくれる効果があります。

夏バテしがちな時期にはしっかり食べたい夏野菜のナスですが、1年を通して集中力を高めたい人にもおすすめです。ナスに含まれる、どんな栄養素が集中力を高める役割を持つのでしょうか?

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集中力持続には、なすのカルシウムを

ナスはその90%以上が水分といわれており、ビタミンやミネラルよりも水分が占める割合が多い野菜です。暑さによるだるさや集中力低下を改善してくれる効果が高く、のぼせ気味の身体を元に戻す役割があります。日本人に不足しがちな水溶性食物繊維の量も多く、腸内環境を改善して集中しやすい体調を整えてくれます。

集中力アップの要素はそれだけではありません。ナスに含まれるカルシウムやビタミンB1も集中力サポートの栄養素として挙げられます。カルシウムは、身体の調整に欠かせないミネラルで、強い歯や骨を形成する、神経の働きを安定させる、筋肉の収縮を助けるなどさまざまな作用があります。特に現代では手軽に食べられるインスタント食品などが多く、これらには、過剰に摂取するとカルシウムの吸収を阻害するようになってしまうリンが多く含まれています。インスタント食品はできるだけ避けながら、カルシウムを積極的にとりたいですね。

カルシウムが不足すると、神経の情報伝達がうまく行われずにイライラ感が強くなり、集中力が低下してしまいます。ナスのカルシウムは、小松菜や枝豆などよりは少ないですが、調理しても失われにくく、かさを減らすとたっぷり食べることができます。さらにカルシウムをプラスできる小魚の入ったナスの煮びたしや、同じくカルシウムたっぷりの乳製品を使った、ナスのグラタンなどはいかがでしょうか。

もうひとつ、集中力アップのために組み合わせたいのが、糖質の代謝に必要なビタミンB1です。ビタミンB1をしっかりとることで、神経の疲れを改善できる効果があります。ビタミンB1は豚肉、うなぎ、たらこ、玄米などに多く含まれています。豚挽肉の入った麻婆ナスなど、豚肉とナスの組み合わせは好相性ですね。さらに、にらやにんにく、玉ねぎなどに含まれるアリシンと一緒に調理すると、ビタミンB1の吸収率が高まります。なす単独よりもさまざまな食品と組み合わせて、集中力アップを目指しましょう!

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<参考文献>
■農林水産省 身近な作物
『なす』

■文部科学省
『日本食品標準成分表 2015年版(七訂)』

執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、ナスを食べていない人は、人よりも集中力が続かなくなるリスクが1.86倍になります。

A: 週に1回以上、ナスを食べていますか?
B: 人よりも集中力が続かないほうですか?

A
はい いいえ
17.7%
186人
82.3%
865人
B
はい いいえ はい いいえ
4.95%
52人
12.75%
134人
34.54%
363人
47.76%
502人
Z検定値 3.55
オッズ比 1.86
信頼度 99.9%
集計数:1051人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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