解説
丸ごと栄養素が摂れるメリットが!
生野菜を食べる「頻度」を考えたことはあるでしょうか?野菜料理でも、火を通す温野菜と火を通さない生野菜があります。どのくらいの割合で生野菜を食べているかまでは意識していないかもしれません。ですが、生野菜のサラダを食べると集中力アップにつながり、ビジネスに勉強に頑張れる身体を作れるのです。火を通さない生野菜と、集中力にはどのようなつながりがあるのでしょうか。一緒に考えてみましょう!
野菜には、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。熱に弱いビタミンは加熱することで溶け出してしまったり、失われてしまう可能性が高くなります。生野菜は、熱を加えていないことから、野菜そのものの栄養素を丸ごととることができるのが、非常に大きなメリットなのでます。
特にビタミンCは加熱に弱いため、生野菜で食べたるとしっかりとれて効果的です。ビタミンCは抗酸化作用が強く、血管の錆びつきを防止してくれるビタミン。血管が健康だと血液の流れがよくなり、脳に栄養がしっかり届いて集中しやすくなります。
生野菜と加熱調理した野菜では、生の方がマグネシウムや鉄、亜鉛、銅などのミネラルを失いにくいという報告もあります。ミネラルは神経の働きを整えたり、酸素を脳に届けるときに使われるなど集中力を守るためには少量でも必須の栄養素。食事のバランスが崩れると不足しやすくなるため、この点でも生で食べる野菜にはメリットがあります。

集中力アップには、酵素が大切
集中力アップには血行を良くする効果の他に、食物繊維の効果が考えられます。生野菜には食物繊維が多く含まれており、食事のはじめに食べることで血糖値の上昇を抑えることができます。血糖値が急に高くなると、日中でも眠くなったり、記憶力や集中力が下がったりしやすくなるのです。生野菜は全般に温野菜よりも消化に時間がかかるため、血糖値の上昇はゆるやかです。
また、食物繊維は腸で細菌のエサとなります。腸の環境を整え、便秘や下痢といった集中力低下につながる体調不良も防いでくれます。
ただし、こうした生野菜のメリットは胃腸が健康なときのもの。栄養を壊さずにとることができますが、消化に時間がかかるということは内臓の負担となります。胃腸が弱っているときは、無理をして生野菜を食べないようにしましょう。
今回は集中力アップのために生野菜のメリットを多くご紹介しました。ですが温野菜も一度にたくさんの量の野菜がとれる、身体を温める、火を通すことで甘みを感じやすくなったりと野菜の味や香りを楽しめる、とった点でメリットがたくさんあります。生野菜サラダに茹でブロッコリーをプラス、いつもはスープに入れるニンジンを今日は千切りサラダで…と調理法を変えたり組み合わせて、たっぷりの野菜を食べるようにしましょう。

<参考文献>
■厚生労働省 e-ヘルスネット
『野菜、食べてますか?』
■栄養学雑誌
『糖尿病治療食からのミネラル供給量に及ぼす調理損失の影響』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
週に3回以上、生野菜のサラダを食べていない人は、人よりも集中力が続かなくなるリスクが1.54倍になります。
A: 週に3回以上、生野菜のサラダを食べていますか?
B: 人よりも集中力が続かないほうですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
54.9%
735人 |
45.1%
604人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
20.01%
268人 |
34.88%
467人 |
21.14%
283人 |
23.97%
321人 |
Z検定値 | 3.85 |
---|---|
オッズ比 | 1.54 |
信頼度 | 99.9% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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