卵は胃もたれの救世主!
リスク
4.38倍

卵は胃もたれの救世主!

月に1回以上、卵を食べていない人は、胃がもたれやすくなるリスクが4.38倍になります。

解説

どうして胃もたれが起きるのか

毎日の3度の食事。楽しい食事はストレス発散にもなりますね。ですが、大切な食事をゆううつにしてしまうのが「胃もたれ」です。胃もたれはどうして起きるのでしょうか?

胃は食べ物を消化する臓器です。消化酵素を含む胃酸によって食べ物を消化しやすい形にし、小腸に送ります。

胃はぜん動運動によって、胃の中の食べ物を動かし、胃酸とよく混ぜるという仕事をしています。そして、小腸に負担をかけない形で食べ物を送り出しています。胃もたれは、この胃の働きのどこかに問題があって、食べ物がいつも以上に胃の中にとどまることで起きる症状です。

胃もたれのおもな原因として、消化不良が挙げられますが、消化不良はなぜ起こるのでしょうか。消化不良が起こる理由は大きく3つあります。1つめは、消化の悪い食べ物を良く食べていること、2つめは、胃酸が不足していること、3つめは、胃の動きが低下していることです。

消化の悪い食べ物の代表は、揚げ物などの油を多く使った料理です。胃の消化時間は食べ物によって異なりますが、ごはんなどの炭水化物なら2〜3時間で消化されます。ところが、油が多い食べ物は、消化されるまで8時間もかかるのです。ごはんの倍以上ですね。さらに、硬いもの、繊維質の多いものも消化に時間がかかります。もし、胃もたれで悩んでいる人で、このような食事を多くとっている場合は、食事の内容を見直してみましょう。

胃酸不足の原因には、ストレスや冷たいもの、甘いもののとりすぎがあります。胃酸は身体がリラックスしているときに分泌されるのですが、ストレスがあると胃酸が減ってしまいます。また、冷たい食べ物は胃を冷やし、胃の血流を減らしてしまいます。このことも、胃酸の分泌を妨げる原因となってしまいます。さらに、甘いものは、胃酸の分泌を促すカルシウムを消費してしまい、胃酸の分泌が減ってしまうのです。

また、胃の動きが低下する原因としてはストレスや、糖尿病による胃の神経障害などがあります。

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胃に優しく修復効果もある卵

これらの原因に思い当たることがなかったり、すぐにストレスが取り除けなかったりするときには、卵に頼ってみましょう。

卵、特に半熟卵は消化のよい食べ物の1つです。胃腸風邪でお腹が弱っているときには、消化が良くて栄養豊富な卵粥がおすすめです。

それだけでなく、卵白には胃を守る効果があります。例えば、「小さな子供が誤って台所洗剤を飲んでしまった!」といった場合には、生卵を飲ませるという応急処置があります。また、卵白が胃の粘膜を保護する可能性についての研究報告もあります。胃もたれに限らず、胃の粘膜が荒れるなど、胃のトラブルを抱えている人は、卵をとることで改善するかもしれません。試してみる価値ありですね。

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<参考文献>
■日本石鹸洗剤工業会
『誤飲誤用の応急処置』

■徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部
『卵白リゾホスファチジン酸とその産生酵素の健康機能』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

月に1回以上、卵を食べていない人は、胃がもたれやすくなるリスクが4.38倍になります。

A: 月に1回以上、卵を食べていますか?
B: 人よりも胃がもたれやすいですか?

A
はい いいえ
96.1%
297人
3.9%
12人
B
はい いいえ はい いいえ
23.3%
72人
72.82%
225人
2.27%
7人
1.62%
5人
Z検定値 2.65
オッズ比 4.38
信頼度 99.1%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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