レバーを食べてストレスに強くなる!
リスク
13.7倍

レバーを食べてストレスに強くなる!

週に1回以上、レバー類を食べていない人は、ストレスを感じやすくなるリスクが13.7倍になります。

解説

レバーのビタミンB群が抗ストレスに役立つ!

「最近、ストレスを感じやすくなったな」と思う人は多いでしょう。このように、ストレスを感じやすくなる原因には、「抗ストレスホルモン」が関係しているかもしれません。

仕事や生活の中で慢性的にストレスを感じていると、「抗ストレスホルモン」ともいわれる、ストレスから身体を守る役割を持つホルモンがうまく分泌できなくなることがあります。これは“副腎疲労症候群(アドレナルファティーグ)”と呼ばれる状態で、うつ病や適応障害、血圧の変動や低血糖などさまざまな病気の元になるのです。

抗ストレスホルモンがしっかり分泌されるには、ストレスを減らすことが大切です。とはいえ、そう簡単にはストレスはなくせないですね。そんな人は、抗ストレスホルモンをしっかり作り出せるように食事を工夫してみましょう。

抗ストレスホルモンを作るときに欠かせないのが、ビタミンB群の1種の“パントテン酸”です。別名ビタミンB5とも呼ばれます。このビタミンB5はレバーにたくさん含まれています。さらに、ビタミンB5は炭水化物やたんぱく質、脂質という3大栄養素の代謝に関わり、エネルギーを生み出す活動にも関わっています。

このように、ビタミンB5は、「燃料切れ」ともいえる身体のエネルギー不足を防ぎます。さらに、余分なエネルギー源の蓄積も防ぐため、太りにくい身体を作ってくれるのです。

ストレスが増えて、抗ストレスホルモンが不足すると、免疫力も低下してしまいます。ビタミンB5は、ウイルスに対する抗体を作り出す働きにも関わっています。つまり、ビタミンB5は、抗ストレスホルモンを作る働きに関与するだけでなく、抗ストレスホルモンが不足して免疫力が低下しているときに、免疫力が回復するよう作用してくれるというわけです。

さらに、ビタミンB5には、皮膚や髪を丈夫にしたり、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす効果もあります。ストレス対策にも健康対策にも美容対策にも、ビタミンB5は優れたビタミンなのです。

79635

ビタミンの宝庫、レバーのさまざまな栄養素

そのほかにも、レバーにはストレスによるさまざまな症状を改善する栄養素が含まれています。例えば、レバーには、ストレスで口内炎ができやすい人にとって重要な、粘膜を保護する作用をもつビタミンが豊富に含まれています。それだけでなく、脳にエネルギーを届けやすくするビタミンB1や、神経細胞を強くして精神の安定をはかるビタミンB12、抗酸化作用をもつビタミンAなどの栄養素も、レバーを食べることで一緒にとれるのです。

ビタミンB5は余分に摂取しても身体の外に排出されますが、ビタミンAは体内に蓄えられます。特にレバーなどの動物性の食品からとったビタミンAは体内に吸収されやすく、過剰にとるとめまいや吐き気、後頭部の痛みなどといった症状が現れることがあるので、レバーの食べすぎには注意が必要です。目安として、1週間に焼き鳥1本程度の量のレバーを食べればよいでしょう。また、カフェインやアルコールのとりすぎはビタミンB5を減らしてしまうので注意しましょう。

79636

<参考文献>
■神奈川産業保健総合支援センター
『うつ病、パニック障害など・・いつもの治療で、効果が得られないとき』

■菱田明、佐々木敏監修 第一出版
『日本人の食事摂取基準 2015年版』

■文部科学省
『日本食品標準成分表 2015年版(七訂)』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、レバー類を食べていない人は、ストレスを感じやすくなるリスクが13.7倍になります。

A: 週に1回以上、レバー類を食べていますか?
B: ストレスを感じやすいですか?

A
はい いいえ
2.3%
7人
97.7%
302人
B
はい いいえ はい いいえ
0.32%
1人
1.94%
6人
67.96%
210人
29.77%
92人
Z検定値 3.11
オッズ比 13.7
信頼度 99.8%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

関連記事

広告

my healthyは書籍や論文から集めた約28万通りの健康法を統計で厳選して、定期的に発信しています。