ファーストフードが内臓脂肪を増やすわけ
リスク
2.12倍

ファーストフードが内臓脂肪を増やすわけ

ファーストフードを食べないようにしていない人は、内臓脂肪が多くなりやすくなるリスクが2.12倍になります。

解説

ファーストフードの食べすぎは、生活習慣病を招く可能性が…。

ファーストフードのファーストは「早い」という意味もあるように、注文してからすぐに食べられ、調理時間や食事時間を短縮することができるので、忙しい現代人にとってはありがたい存在です。しかし、この手軽さの裏で、ファーストフードのとりすぎにより内臓脂肪が増え、生活習慣病などの病気が増えてきていることも事実です。

ファーストフードはなぜ内臓脂肪を増やしてしまう原因になるのでしょうか?まず、ファーストフード店に行くと、セットメニューでハンバーガー、ポテト、そして砂糖入りのジュースなどが組み合わせられているという点があります。「お得感」もあって、単品よりもセットで購入することは多いのではないでしょうか?

こうした組み合わせメニューは、ハンバーガーのパンの部分の炭水化物(糖質)、ハンバーグの肉や油、ポテトの糖質と揚げ油(脂質)、そしてジュースの糖質と、高エネルギーかつ高脂質になりやすい栄養素で構成されています。これが内蔵脂肪を多くする原因になるのです。

また、ファーストフードはしっかり濃いめに味付けされていて、一般的に塩分も高めです。しかも手軽に食べられるわけですから、自然に量や回数が増えることにより、病気を引き起こす可能性が高くなってしまうのです。

80630

ファーストフードは単品ずつが賢い食べ方

内臓脂肪は悪いイメージにしか捉えられないことが多いですが、内臓を正しい位置に保ったり、衝撃をやわらげる役割も持っています。悪い働きしかしないわけではありません。

とはいえ、内臓脂肪が多くなると、コレステロールや中性脂肪が増加することによる高脂血症、糖尿病、心臓病などの生活習慣病のリスクが高くなってしまいます。共働き世帯も多い現代では、ファーストフードを絶対に食べないという生活スタイルは難しいかもしれません。

しかし、手の込んだお弁当でなくても、かんたんなものを上手に組み合わせて、糖質や脂質をとりすぎないランチをとることもできます。例えば、食物繊維の多い全粒粉のパンに、たんぱく質が多いサラダチキンを挟んでみる、砂糖が入ったドリンクより生のフルーツを選ぶ、といった工夫だけでもカロリーや脂質、糖質を抑えることができます。

市販のものでもよいので、サラダや野菜が入っているスープを追加してみましょう。砂糖入りのジュースをお茶に変え、ベーコンやチーズなどの追加の脂肪が入ったハンバーガーではなく、シンプルなサンドイッチに変えるなどでもOKです。

ファーストフードだけの食事を続けていると、ビタミンやミネラルが多い野菜類や、糖質をエネルギーに変えるビタミンB群が足りなくなりがちです。できるだけセットメニューではなく、単品で選ぶことがおすすめです。

ファーストフードのセットメニューはお得かもしれませんが、健康に生活できる食事は長い目で見れば身体にとって「お得」です。ランチを買って食べるときでも、洗うだけで食べられるミニトマトやベビーリーフ、切るだけで食べられる、きゅうりなどの簡単サラダをタッパーに持参し、プラスしても良いでしょう。

内臓脂肪が増えてしまっている場合は特に、お手軽サラダを作る労力をおしまずに、単品ずつで組み合わせて食べるように、心がけてみましょう。

80631

<参考文献>
■広瀬寛監修、阿部芳子著 ナツメ社
『あなたを元気にするビタミン』

■大塚製薬
『体脂肪と肥満』

執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

ファーストフードを食べないようにしていない人は、内臓脂肪が多くなりやすくなるリスクが2.12倍になります。

A: ファーストフードを食べないようにしていますか?
B: 内臓脂肪は多いですか?

A
はい いいえ
42.4%
131人
57.6%
178人
B
はい いいえ はい いいえ
9.06%
28人
33.33%
103人
21.04%
65人
36.57%
113人
Z検定値 2.87
オッズ比 2.12
信頼度 99.5%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

関連記事

広告

my healthyは書籍や論文から集めた約28万通りの健康法を統計で厳選して、定期的に発信しています。