解説
フケが発生するメカニズム
フケはどんな健康な人にでも発生する頭皮から出る老廃物で、フケが出ることは、いわば爪が伸びるような正常な反応です。とはいえ、粉のような乾いたフケが服にかかっていたり、脂っぽいフケで頭皮がべたついたりするのは困りますね。
フケの種類を大きく分けると、カサカサと乾燥している「乾性フケ」と、湿ってベトベトしている「脂性フケ」の2種類があります。
脂性フケは頭皮の皮脂を十分に取り除くことができずに不衛生な状態になっていたり、フケケア用シャンプーなどの異物が頭皮に残っていたりすると発生しやすくなります。反対に、洗髪のしすぎによって頭皮の適度な皮脂などを全て取り除いてしまうと、頭皮が乾燥してしまい乾性フケが発生しやすくなります。
このように、頭皮のケアが不適切だったためにフケが異常に発生した場合は、シャンプーの方法を見直す必要があります。さらに、フケの原因となる要因は誤った頭皮ケアの他にもいくつかあります。本来、フケが出るのは正常なことですが、身体に異常が生じてくると、過剰にフケが出たり、フケの性質が変わってしまうことがあるのです。
頭皮の分泌物が過剰に生成される原因に、不規則な生活習慣やストレスによる自律神経とホルモンバランスの乱れがあります。頭皮から過剰な分泌物があると、適切に毎日頭皮のケアをしていても、フケの改善が追いつかなくなってしまう可能性があります。そこで、シャンプーの他にもフケを予防できるストレスの改善方法を紹介しましょう。

楽しい・面白い話を共有すると意外な効果
家に帰ってから、家族と楽しい話をしていますか?休日には、友人と面白い会話をしているでしょうか?普段の何気ない会話をしているだけで、いつの間にかストレスから解放された経験がある人は多いのではないでしょうか。
会話には情報を伝える連絡の機能だけでなく、ストレスを軽減してくれる心理療法としての効果もあることが、心理学の研究で証明されています。心理療法で使用される手法で、個人がかかえている課題や問題を解決するために、対話を通して考えていく方法や、話に耳を傾けながら心の深層を探っていく方法などがあります。家族や親しい友人と一緒に楽しい・面白い話を共有することも、ストレス軽減の方法なのです。
面白い話を共有するときには、単に情報を伝えるだけではなく、うなずいたり、相づちをうったり、笑顔やジェスチャーなどのことば以外の要素が大切です。実際、自分の話を相づちとともに良く聞いてもらったり、ツボのところで笑ってもらったら嬉しいですよね。こうした会話は、誰かとのコミュニケーションで成立するもの。自分だけの健康法ではなく、同時に複数の人が健康を維持することができるので、皆でリラックスして心や頭皮の健康を守ることができるのです。

<参考文献>
■第一三共ヘルスケア
『ふけ・頭のかゆみの原因』
■東北大学大学院教育学研究年報
『東北大学短期/家族療法研究グループによるコミュニケーション研究は「臨床に役立つ基礎研究」なのか?』
執筆 : 理学療法士 田中渉
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
楽しい・面白い話を家族や友人と共有していない人は、フケが多くなりやすくなるリスクが3.91倍になります。
A: 楽しい・面白い話を家族や友人と共有していますか?
B: フケが多いほうですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
82.2%
254人 |
17.8%
55人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
11.97%
37人 |
70.23%
217人 |
7.12%
22人 |
10.68%
33人 |
Z検定値 | 4.35 |
---|---|
オッズ比 | 3.91 |
信頼度 | 99.9% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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