解説

洗浄力の強いシャンプーで頭を洗うと、べとつく皮脂などの汚れが落ちて、さっぱりしますね。ですが、洗浄力が強すぎるシャンプーは、髪の毛の表面や頭皮の乾燥のもとになり、かえって切れ毛や抜け毛の原因となってしまいます。
頭皮と髪の毛の健康のためには、シャンプーの洗浄力の強さに注意しましょう。
無添加シャンプーは、ほどよい洗浄力で皮脂を落としてくれるのでおすすめ。無添加シャンプーは、頭皮や髪の毛に対する刺激が少ないので、健康な頭皮と髪の毛を守ることができますよ。

髪を傷める原因に?さっぱりしすぎるシャンプーに要注意
シャンプーをたっぷり使って頭を洗うと、べとべとした頭皮の皮脂がなくなってとてもさっぱりしますよね。ですが、市販されているシャンプーの中には、合成界面活性剤を使ってこの爽快感を生みだしているものが多いって、ご存知ですか?
頭皮の皮脂は、髪の毛の水分を守るという大切な働きをしていますが、汚れやすいという性質があります。この汚れを落とすことは、髪の毛のケアでも重要なステップです。しかし、合成界面活性剤の多いシャンプーで頭を洗うと、洗浄力が強すぎるため、必要な皮脂まで洗い流してしまいます。そして、髪の毛の表面や頭皮が乾燥してしまうのです。
髪の毛は、爪などと同じ“ケラチン”という繊維状のタンパク質が束状になってできています。髪の毛が乾燥すると、繊維の先端から裂けてしまって切れ毛となり、髪の毛のボリュームがなくなる原因になってしまいます。それだけでなく、頭皮の表面が乾燥し、はがれ落ちてかえってフケが増えたり、かゆみを感じることもあるんです。
シャンプーできれいに洗ったはずなのに、フケやかゆみが出るのでは、何のためのシャンプー?と思ってしまいますよね。
「そうらならないように、リンスやコンディショナーで油分を補っているんじゃないの?」と疑問に思った人は、大正解です。確かに、リンスやコンディショナーは、シャンプーで取り去った油分を補うことができます。しかし、リンスには油分だけでなく毛髪同士がくっつき合うのを防ぐために、こちらにも界面活性剤が含まれているものがあります。
この界面活性剤には、頭皮にアレルギー性の刺激を与える成分が含まれていることがあるので、シャンプーで皮脂を取り過ぎてしまった頭皮に、さらなる刺激を与えかねないのです。

ほどよい洗浄力のシャンプーで、頭皮や髪の毛の健康を守ろう
洗浄力の強すぎるシャンプーとリンスの組み合わせは、頭皮や髪の毛に負担をかけてしまうことがおわかりいただけたと思います。
このように、頭皮や髪の毛に負担がかかると、髪の毛が育つ環境が損なわれてしまいます。たとえば、強力なヘアスタイリング剤を落とすために、洗浄力の強いシャンプーを使うと、頭皮がダメージを負い、最悪の場合、抜け毛の原因となってしまうことがあるのです。
スタイリングが決まる、健康な髪の毛と頭皮をいつまでも保ちたいですよね。そのためには、ほどよい洗浄力で刺激の少ないシャンプーを選ぶことが重要です。
無添加のシャンプーには、保存料などの添加物だけでなく、洗浄力の強すぎる合成界面活性剤を使っていない製品があります。つまり、頭皮や髪の毛への刺激を抑えることができるわけですね。
ただし、“無添加”の表示には法的な基準はありません。メーカーによって入っていない成分が異なるので、注意してパッケージを見てみましょう。現在では、化粧品類に入っている成分はすべて表示が義務付けられています。パッケージをよく見て、何が入っていて、何が「添加されていない」のかをしっかりと見極めましょう。

<参考文献>
■境野米子著 岩波書店
『安心できる化粧品選び』
■宇山侊男、岡部美代治、久光一誠著 フレグランスジャーナル社
『化粧品成分ガイド 第6版』
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
無添加のシャンプーを使用していない人は、使用している人よりも抜け毛が多くなるリスクが2.5倍になります。
A: 無添加のシャンプーを使用していますか?
B: 人よりも抜け毛が多いほうですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
16.7%
48人 |
83.3%
240人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
4.17%
12人 |
12.5%
36人 |
37.85%
109人 |
45.49%
131人 |
Z検定値 | 2.62 |
---|---|
オッズ比 | 2.5 |
信頼度 | 99.1% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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