ウエストが気になったらリンゴは皮ごと
リスク
2.22倍

ウエストが気になったらリンゴは皮ごと

りんごは皮ごと食べていない人は、3年以内に、ウエストがきつくて服が着られなくなりやすくなるリスクが2.22倍になります。

解説

ケルセチンの脂肪減少効果

ごちそうの続く年末年始もあって、冬はダイエットが気になるシーズンです。そんな冬が旬のフルーツであるリンゴは、ウエストが気になるときに強い味方になってくれます。皮下脂肪や内臓脂肪がついてウエストがきつくなるという場合もありますが、便秘やガスが溜まって腸が膨らむことでウエストがきつくなるという場合もあります。こんなときに役立ってくれるのが、リンゴの皮に多く含まれる“ケルセチン”という成分です。

ケルセチンはポリフェノールの1種で、脂肪分解を促す効果やコレステロールを低下させるなどの効果があります。さらに、太っている人にケルセチンを摂取してもらい、摂取しなかった人と比較したところ、内臓脂肪と皮下脂肪の量が明らかに減少したという研究結果もあります。このケルセチンによる脂肪減少効果から、体脂肪を減らす効果を謳った飲料にもケルセチンが配合されていることがあります。

83788

ペクチンで便秘の改善

便秘や腸にたまったガスによるお腹のハリを解消するには、腸の調子を整えることが大切です。腸の調子を整える成分のうち、リンゴの皮に多く含まれているのは食物繊維の“ペクチン”。食物繊維には、水に溶けやすいもの(水溶性食物繊維)と水に溶けにくいもの(不溶性食物繊維)の2種類がありますが、リンゴに含まれるペクチンは、最初は不溶性ですが、熟すにつれて水溶性に変化するという不思議な性質を持っています。

便秘の解消には、どちらの食物繊維も大切。不溶性食物繊維は便の量を増やし、腸を掃除する効果があります。水溶性食物繊維は、便の中の水分量を増やし、適当な硬さにしてくれる上に、便の滑りを良くするので、腸の中を便がスムーズに移動することができます。リンゴに含まれる食物繊維のうち、およそ3割が皮にあるので、皮をむいてしまうと効果が減ってしまうのですね。

83789

リンゴの皮を上手にとろう

「リンゴの皮には農薬やワックスがついているのでは?」と心配になるかもしれません。しかし、日本のリンゴであれば心配無用です。リンゴの表面がつるつるしているのはワックスや農薬ではなく、乾燥を防ぐためにリンゴそのものが出している油分なのです。農薬についても水洗いをすれば問題ない程度。どうしても皮が苦手な場合は、ケルセチンもペクチンも煮出すことができるので、アップルティーなどで香りとともに楽しむのもおすすめです。

83790

<参考文献>
■The Journal of Nutritional Biochemistry
『The inhibitory effects of quercetin on obesity and obesity-induced inflammation by regulation of MAPK signaling.』

■Mediators of Inflammation
『Therapeutic Effects of Quercetin on Inflammation,Obesity,and Type 2 Diabetes.』

■中嶋洋子監修 主婦の友社
『これは効く! 食べて治す 最新栄養成分事典』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

りんごは皮ごと食べていない人は、3年以内に、ウエストがきつくて服が着られなくなりやすくなるリスクが2.22倍になります。

A: りんごは皮ごと食べていますか?
B: ここ3年以内に、ウエストがきつくて服が着られなくなったことがありますか?

A
はい いいえ
28.5%
88人
71.5%
221人
B
はい いいえ はい いいえ
5.18%
16人
23.3%
72人
23.62%
73人
47.9%
148人
Z検定値 2.6
オッズ比 2.22
信頼度 99.0%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

関連記事

広告

my healthyは書籍や論文から集めた約28万通りの健康法を統計で厳選して、定期的に発信しています。