小さなうつはリンゴで撃退!
リスク
2.48倍

小さなうつはリンゴで撃退!

週に1回以上、リンゴを食べていない人は、不眠の悩みがおきやすくなるリスクが2.48倍になります。

解説

リンゴは健康を維持するスペシャルフルーツ!

冬の定番のフルーツとなっているリンゴ。日常的に食べているリンゴには、生活習慣病などを予防し、健康を守る栄養素がたっぷり詰まっています。例えば、リンゴには塩分を排出するカリウムが多く含まれていて、高血圧の予防にもなります。また、ペクチンとよばれる水溶性の食物繊維には、便秘や下痢を改善する効果があります。さらに、ペクチンには血糖値の上昇をゆるやかにし、脂肪が作られることを防ぐ効果がありますので、ダイエット効果も期待できます。

冬は風邪が気になるシーズンですが、「1日1個のリンゴは医者知らず」という言葉があるように、リンゴには抗酸化作用が強いポリフェノールが含まれていて、免疫力アップに役立ちます。「最近は調子がよくないかも…」という人は、意識してリンゴを食べるように心がけてみましょう。

それだけでなく、定期的にリンゴを食べていると安眠を守ってくれる効果も期待できます。最近では、野菜やフルーツ由来の食物繊維がうつ症状を予防するという報告があり、リンゴの食物繊維はこの点でも注目されてきているのです。

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腸内をきれいにするとセロトニンが増える?

うつ症状を緩和させるために重要な働きをする物質に、“セロトニン”といわれる脳内物質があります。セロトニンは、睡眠のリズムを整えたり、ホルモンや体温の調節、食物の消化や吸収に関わったりするなど、さまざまな面で身体を健康に保つ働きに関係している物質です。

セロトニンの量が低下すると、「やる気が起きない」「なんとなくゆううつ」などメンタル面に大きな影響が出てしまいます。セロトニンの材料になるアミノ酸である“トリプトファン”を多く含む、魚や卵、肉、大豆製品などの良質のたんぱく質をしっかりとるように心がけましょう。

このセロトニンは、実は9割以上が腸で、残りは脳で作られているといわれています。腸で作られたセロトニンは、直接的に脳の働きに使われることはないのですが、腸のセロトニン濃度の情報は、腸と脳をつなぐ神経系のネットワークに作用し、脳にも間接的に影響を与えると考えられています。つまり、腸がセロトニンをしっかり作ることができなければ、脳内でもセロトニンが不足してしまうおそれがあるということなのですね。

そこで、腸内の環境を保ち、脳内でもセロトニンを作りやすくすることがとても重要になります。腸内を正常に保つためには、腸をきれいにしてくれる食物繊維をしっかりとることがポイントです。

りんごの食物繊維は皮に多く含まれていますので、皮ごと食べると効果的です。最近では手軽に食べられるカットリンゴが手に入りやすいのですが、できるだけ皮付きのリンゴをとり入れるようにしましょう。

リンゴを焼いたり煮たりすることで、ペクチンの量も増えるといわれています。丸ごと焼きリンゴなどにして皮ごと食べるのもよいでしょう。「ゆううつで寝付きが悪いな…」と思ったら、リンゴを試してみましょう。

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<参考文献>
■国立国際医療研究センター 臨床研究センター
『食物繊維摂取と抑うつ症状の関連—断面調査の結果から—』

■Nutrition
『Dietary fiber intake and depressive symptoms in Japanese employees:The Furukawa Nutrition and Health Study.』

執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、リンゴを食べていない人は、不眠の悩みがおきやすくなるリスクが2.48倍になります。

A: 週に1回以上、リンゴを食べていますか?
B: 不眠の悩みはありますか?

A
はい いいえ
21.0%
65人
79.0%
244人
B
はい いいえ はい いいえ
3.56%
11人
17.48%
54人
26.54%
82人
52.43%
162人
Z検定値 2.61
オッズ比 2.48
信頼度 99.0%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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