ナッツでストレス不眠を和らげよう
リスク
2.04倍

ナッツでストレス不眠を和らげよう

週に1回以上、ナッツ類を食べていない人は、不安で眠れないことが多くなりやすくなるリスクが2.04倍になります。

解説

トリプトファン&ビタミンB6が安眠のカギ

最近、寝付けないと感じることはありますか?もしかすると、それはセロトニン不足かもしれません。セロトニンとは、睡眠の質を高めたり、精神の安定をもたらすホルモンで、セロトニンが不足すると、ぐっすり眠れなかったりゆううつ感や不安を感じやすくなります。セロトニンは、食事でとった材料をもとに体内で作られるものですから、セロトニンの材料を含むたんぱく質をしっかりとって、材料が不足しないようにする必要があります。

セロトニンの材料となるのは、トリプトファンという必須アミノ酸です。トリプトファンからセロトニンが作られ、やがてメラトニンとよばれる睡眠を促すホルモンとなっていきます。トリプトファンを多く含む食品は、バナナ、豆乳、牛乳、ヨーグルト、肉類、赤身の魚、たらこ、納豆などがあります。

例えば、朝食ではバナナにヨーグルトをかける、昼の食事に豆乳をプラスする、夕食では肉や魚などをメイン料理にするなどといった工夫をすると、不足なくとることができます。そして、ナッツ類はこのセロトニンを作る働きを助けてくれます。ナッツにはビタミンB6が豊富に含まれており、このビタミンB6がセロトニンを作ることに関係があるのです。

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上向きメンタルには、ナッツが効く?!

ビタミンB6は、セロトニンを作る働きを助けるだけでなく、たんぱく質の代謝や脂質の代謝に大きく関係するビタミンです。日本人が肉などを食べる機会が増えたこともあり、ビタミンB6の役割もとても大きくなってきています。

ビタミンB6が多く含まれる食品は、魚ではアジや鮭、ナッツ類ではピスタチオやひまわりの種などがあります。なかでもピスタチオは、料理にもお菓子にも混ぜやすく、お手軽にビタミンB6がとることができます。例えばサラダに混ぜても良いですし、肉料理で衣をつけるときに混ぜたり、ヨーグルトにプラスしても美味しく食べられます。

また、セロトニンやメラトニンを作るには、肉や魚などからトリプトファン、ナッツなどからビタミンB6をとるだけでなく、太陽の光に当たるのもおすすめです。「最近、寝付きが悪いなあ…」と感じていたり、なんとなくゆううつ感や不安を感じる人は、肉や魚、ナッツ類をしっかり食べ、日光浴をとり入れましょう。

まずは朝、眠くても決まった時間に起き、バランスが良い食事をとって太陽の光を浴びて、軽めのウォーキングをしましょう。そうすれば、夜の睡眠サイクルの改善をうながすことができます。

それだけでなく、ナッツ類の栄養には血液をきれいにしてくれる、オメガ3系脂肪酸が多く含まれています。オメガ3系脂肪酸に含まれるDHAやEPAは、脳の細胞を活性化してくれる効果があり、うつの症状を緩和して寝付きを改善することが期待できます。ピスタチオに加えてアーモンドやくるみなどのナッツ類を食事やおやつにとり入れてみましょう。

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<参考文献>
■国土交通省中国運輸局 平成28年度自動車安全セミナー
『睡眠改善の重要性と睡眠、眠気マネジメント』

■Journal of Physiological Anthropology
『Can breakfast tryptophan and vitamin B6 intake and morning exposure to sunlight promote morning-typology in young children aged 2 to 6 years?』

■文部科学省
『食品成分データベース』

執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、ナッツ類を食べていない人は、不安で眠れないことが多くなりやすくなるリスクが2.04倍になります。

A: 週に1回以上、ナッツ類を食べていますか?
B: 不安で眠れないことは多いですか?

A
はい いいえ
23.1%
138人
76.9%
459人
B
はい いいえ はい いいえ
3.85%
23人
19.26%
115人
22.28%
133人
54.61%
326人
Z検定値 2.89
オッズ比 2.04
信頼度 99.6%
集計数:597人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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