解説
見直そう、バナナの魅力
一時期バナナダイエットが流行りましたね。その後にさまざまなダイエット方法が出てきて影が薄くなってしまいましたが、やっぱりバナナはダイエットに適した食材なのです。もう一度、バナナの魅力を確認してみましょう。
バナナのカロリーは1本で約80kcal。ごはん1杯が約250kcalですから、ごはん1杯と同じカロリーまでバナナを食べてよいことにすれば3本も食べることができます。
バナナを3本も食べるとそれだけでお腹いっぱいになりそうですね。その仕組みはバナナの甘みと食物繊維にあります。バナナには、ブドウ糖・果糖・ショ糖などいろいろな種類の糖分が含まれています。ブドウ糖や果糖は消化が早く、すぐにエネルギーになるタイプの糖分です。一方でショ糖はブドウ糖に比べて少し消化が遅いのが特徴です。
そして、バナナに含まれる食物繊維は、ほとんどが水に溶けない不溶性食物繊維です。バナナに含まれる糖分が血糖値を上げて満足感をもたらし、バナナに含まれる不溶性食物繊維が腹持ちをよくしてくれるというわけです。
今、太っていて、脂肪を消費したいという人にもバナナはおすすめです。なぜなら、バナナは脂肪をエネルギーとして使うときに必要なビタミンB群をたくさん含んでいるからです。さらにバナナには“ヒスチジン”という必須アミノ酸が含まれており、食欲を抑えたり、脂肪の燃焼を促してくれたりするとされるヒスタミンの原料になります。また、バナナに多く含まれているカリウムは身体の余分な水分を排出することでむくみを改善します。

手軽なバナナダイエット
バナナダイエットが爆発的に人気になったのは、1食をバナナに置き換える以外はほとんど食事制限をしなくてよい手軽さにあるからでしょう。
さらにバナナは特に料理をしなくても皮をむくだけで食べられます。忙しい朝でも食べやすく、ランチにも持っていくことができるため、手軽に続けられるのが嬉しいですね。
そしてバナナはとても安価です。1食をバナナ2本にするとその費用は100円程度。代わりにおにぎりなど買うことを考えれば、バナナ2本にするほうが安上がりになります。
置き換えの場合は、1日3食のうち1食をバナナにするだけ。1日の食事を全部をバナナに置き換えるような無理なダイエットは栄養のバランスが崩れてしまい、危険ですからやめましょう。また、いくらバナナが脂肪の消費を助けるとはいっても、身体を動かしてエネルギーとして使わなければ脂肪は減りません。体重が少し気になる程度で、ご飯1杯分をバナナ1本に置き換えて少し摂取カロリーを減らすなど、無理のないところから始めるようにしましょう。

<参考文献>
■日本バナナ輸入組合
『バナナの栄養』
執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
週に1回以上、バナナを食べていない人は、肥満になりやすくなるリスクが3.06倍になります。
A: 週に1回以上、バナナを食べていますか?
B: 肥満ですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
25.6%
79人 |
74.4%
230人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
2.91%
9人 |
22.65%
70人 |
21.04%
65人 |
53.4%
165人 |
Z検定値 | 3.03 |
---|---|
オッズ比 | 3.06 |
信頼度 | 99.7% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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