解説
白・黒・金、ゴマの種類の違いは?
ゴマの歴史は古く、アフリカから中近東、中央アジア、中国を経由して日本にやってきたといわれています。日本では縄文時代の遺跡からゴマが発見されたこともあり、奈良時代にはゴマ油が調味料として使用され、栽培も進んでいたといわれています。
色や形などによって3000もの種類に分けることができるといわれているゴマ。日本で流通している代表的なゴマは、殻の色によって白、黒、金の3種類に分けることができます。
日本で多く食べられるゴマといえば白ゴマですね。黒ゴマよりも脂質が多く、ゴマ油の原料にもなります。黒ゴマは皮が固く、すって食べるのが一般的です。きんぴらやゴマ和えなどの料理のほかに、大学芋や蒸しパンなどにも黒ゴマをトッピングしたりと、幅広く使われています。
黒ゴマの種皮の部分には、抗酸化作用が強い“アントシアニン”とよばれる栄養素が含まれています。このアントシアニンは、ブルーベリーにも含まれている物質で、目の働きに良い栄養素であることをご存知の人も多いでしょう。
金ゴマは、懐石料理などに使用されることが多い高級品。皮の部分に抗菌作用があるフラボノイドが多く含まれていることが特徴です。

ゴマパワーが美肌への近道
普段よく食べている白ゴマや黒ゴマは、栄養的には大きな差がないといわれています。どちらかといえば消費量が多い白ゴマの方が、黒ゴマよりも食べる機会が多いでしょう。料理の用途や、特徴、好みで使い分けてもよいのです。白も黒もまんべんなく食事に取り入れ、両方の風味を楽しみましょう。
一粒は小さいゴマですが、風味が良いことだけが特徴ではありません。ゴマは非常に栄養豊富で、特に美肌に効果がある栄養素がたくさん詰まっているのです。
肌を守る栄養素として、まずはビタミンEが挙げられます。ビタミンEは抗酸化作用が強く、「若返りのビタミン」ともよばれるビタミンです。血管をきれいにし、血流を良くしてくれるので、代謝を助けてくれます。
また、ゴマには食物繊維も含まれています。食物繊維は便秘を予防したり解消したりしてくれる嬉しい成分。肌荒れの原因になりやすい便秘を解消することは、美肌への近道です。ゴマを食卓において、料理に一振りして食べると良いでしょう。
そして、ゴマには“ゴマリグナン”とよばれる抗酸化作用が強い栄養素が含まれています。これをビタミンEと一緒にとるとビタミンEの血中濃度が高くなり、体内の活性酸素を除去する効果が期待できます。さらに、ゴマリグナンは、女性ホルモンと似た構造をしており、ホルモンバランスを整え、美肌を作ります。「最近、肌の調子がよくないなあ…」という人は、抗酸化作用のあるゴマの力で身体のすみずみまできれいにし、美肌を目指してみましょう。

<参考文献>
■農林水産省
『ゴマについて、黒ゴマ、白ゴマなど種類がありますが、何が違うのでしょうか。特性と、栄養成分上違いなどを教えて下さい。』
■文部科学省
『日本食品標準成分表 2015年版(七訂)』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
週に1回以上、白ゴマを食べていない人は、肌が荒れやすくなるリスクが1.99倍になります。
A: 週に1回以上、白ゴマを食べていますか?
B: 肌が荒れやすいですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
31.7%
98人 |
68.3%
211人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
9.39%
29人 |
22.33%
69人 |
31.07%
96人 |
37.22%
115人 |
Z検定値 | 2.65 |
---|---|
オッズ比 | 1.99 |
信頼度 | 99.1% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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