解説
アーモンドに含まれるビタミンEに注目!
ナッツ類の中でおなじみのアーモンドは、なんと4000年以上前から食べられていたという記録があるほど歴史が深いナッツです。
アーモンドには、さまざまな栄養素がぎゅっと詰まっています。その中でもとりわけ注目したい栄養素がビタミンEです。アーモンド100gあたりおおよそ30.1mg含まれ、ビタミンEが多いことで知られるナッツ類やゴマのように、種を食べる食材の中でもダントツの含有量です。
このビタミンEには強い抗酸化作用があり、身体を錆びつかせる原因となる活性酸素から身体を守ってくれたり、血液をきれいにしたりする作用があります。このため、血管や細胞の老化を防止し、ガンや動脈硬化などの病気を予防する効果があります。また「若返りのビタミン」ともよばれ、美肌効果もあるのでアンチエイジングや美肌を気にする方にもおすすめの栄養素です。
ビタミンEは細かく分けると4種類ありますが、最も作用が強い種類がアーモンドに多く含まれています。ビタミンEは脂溶性ビタミンなので、身体に蓄積されやすい特徴がありますが、今のところとりすぎが問題となる過剰症の報告はされていません。ただし、念のため、過剰にならないように気をつけたほうがよいでしょう。サプリメントはとりすぎになりやすいため、注意が必要です。

歯茎の腫れ予防にも実は効果が
『my healthy(マイヘルシー)』のアンケートでは、アーモンドを定期的に食べている人は食べていない人よりも、歯茎の腫れのトラブルを起こすリスクが少ないという結果となりました。歯茎とアーモンドというと、どんな関係があるのか不思議に思われるかもしれませんね。
実は、アーモンドに含まれるビタミンEには血行を良くする効果があります。これにより免疫の低下を防ぎ、歯周病を招く菌の増加を防いでくれます。また、ビタミンEの強い抗酸化作用により、歯茎の酸化を防ぎ、歯の健康を保ってくれるのです。
ビタミンCも同じように歯茎の腫れを防いでくれるビタミンです。ビタミンEと一緒にとることにより相乗効果が得られますので、例えば、歯周病を防ぐといわれる発酵食品のヨーグルトに、ビタミンEが豊富なアーモンドと、ビタミンCが多く含まれるフルーツなどをトッピングするのはいかがでしょうか?またアーモンドは、たんぱく質が豊富なので、歯茎の土台になるたんぱく質を補うことができます。
市販のアーモンドは塩で味付けされているものが多いため、塩分のとりすぎも考えられます。できれば塩を使っていない素焼きがおすすめですね。ただし、アーモンドはカロリーが高めなので1日に20粒〜25粒程度に抑えるようにしましょう。

<参考文献>
■農林水産省 特集2 食材まるかじり(3)
『手軽でおいしい!世界のナッツを食卓に』
■日本ナッツ協会
『アーモンド』
■ブルーダイヤモンド アーモンド グロワーズ
『アーモンドの栄養素』
■文部科学省
『食品成分データベース』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
月に1回以上、アーモンドを食べていない人は、人よりも歯茎が腫れやすくなるリスクが3.35倍になります。
A: 月に1回以上、アーモンドを食べていますか?
B: 人よりも歯茎が腫れやすいですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
22.0%
68人 |
78.0%
241人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
1.94%
6人 |
20.06%
62人 |
19.09%
59人 |
58.9%
182人 |
Z検定値 | 2.8 |
---|---|
オッズ比 | 3.35 |
信頼度 | 99.4% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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