解説

ストレッチ運動は、筋肉を柔軟にし、血行を促進して疲労を回復させる効果があります。
ストレッチをすることで体温が上昇し、身体が柔らかくなります。また、疲労物質などの老廃物が取り除かれ、副交感神経が働いて心拍数が低下します。おかげで、ストレッチは身体だけでなく、脳もリラックスさせてくれるのです。
ストレッチは短時間、場所を選ばすどこでも行える手軽にできる運動です。最低30分くらいは行って、疲れにくい身体をつくりましょう。

ストレッチが疲労回復に効果的なワケ
ストレッチって、スポーツ選手が競技に参加する前に、身体の筋肉を伸ばすためにしている運動でしょ?なんて思っていませんか?
たしかに以前はスポーツの前後などに、ケガや筋肉の疲労をとるために行われていましたが、最近では他にもさまざまな効果があることがわかってきたんです。スポーツをしていなくても、気軽にできる家でのストレッチにはいいこといっぱい。
ハードな運動する時間はないけど、ストレッチなら短時間で特別な道具も要らないし、場所を選ばずどこでもできちゃいます。そして、ストレッチは疲労回復に効果的。最近、疲れがたまってる、身体がだるい~、と感じてたらストレッチをはじめてみませんか?
さて、ストレッチにはどんな効果があるのでしょうか?最低30分くらいのストレッチをするだけでも、まず血行やリンパの流れがよくなります。体を動かすことにより、体温が上がって筋肉と共に血管が動くからです。血行がよくなることで代謝機能もアップ、筋肉から疲労物質などの老廃物が取り除かれやすくなります。
しかもメリットは脳にまで!どういうことかというと、筋肉が伸びることで脳はリラックスした状態になるんですね。それによってα波が増加して、副交感神経が働いて心拍数が低下。つまりストレッチは、身体も脳もリラックスさせ、疲労回復してくれる運動なのです。

1日30分、ストレッチで柔軟な身体をつくる!
ストレッチは、血圧を低下させ、動脈硬化を予防する効果もあります。ジョキングやスイミングといった有酸素運動のように、エネルギーを消費して脂肪を燃焼させたり大幅な血行の促進になったりはしませんが、ストレッチを続けることで身体を動かす習慣をつくることができます。
筋肉が硬いと、身体を動かすことそのものがおっくうになってしまいますよね。結果として消費エネルギーが減り、太りやすくなります。たとえば、寒い季節にずっとコタツに入ってゴロゴロしてると身体がだるくなり、家事をするのが面倒くさい…気づくと体重増!そんな感覚です。
でも、意識してストレッチすることにより身体を動かすことに慣れていけば、筋肉は柔らかくなり、フットワークも軽くなります。ついでにケガ予防にもなりますよ。
まずは最低30分、身体の各筋肉を意識してストレッチをスタートしましょう!息をとめると筋肉が緊張して効果が半減してしまうので、呼吸しながら行います。関節を曲げられるところまで、伸ばせるところまでしっかり伸ばしてください。このとき、はずみをつけて反動で伸ばさないようにしいてくださいね。
みぞおちを意識してほぐすように伸ばすとベター。頭から腕、腕から腰、腰から足と、ゆっくり呼吸をしながら時間をかけて伸ばし、ほぐすときの気持ちよさを身体に記憶させていきましょう。

<参考文献>
■石井直方著 筑摩書房
『カラダが変わる! 姿勢の科学』
■谷本道哉、石井直方著 高橋書店
『5つのコツでもっと伸びるカラダが変わるストレッチ・メソッド (カラダをつくる本シリーズ)』
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
週に3回以上、ストレッチを行っていない人は、人よりも疲れが取れにくくなるリスクが2.1倍になります。
A: 週に3回以上、ストレッチを行っていますか?
B: 人よりも疲れが取れにくいほうですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
31.6%
91人 |
68.4%
197人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
12.5%
36人 |
19.1%
55人 |
39.58%
114人 |
28.82%
83人 |
Z検定値 | 2.89 |
---|---|
オッズ比 | 2.1 |
信頼度 | 99.6% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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