旬の食材で視力を守る!眼と栄養の話
リスク
2.25倍

旬の食材で視力を守る!眼と栄養の話

1年を通じて、旬の食材を食べるようにしていない人は、視力が裸眼で0.7未満になりやすくなるリスクが2.25倍になります。

解説

視力が悪く、眼鏡が生活の一部という人は多いですよね。遠くが見えにくい近視(近眼)を大人になってから治すことは難しいのですが、大人になってからの病気が原因になる視力低下からあなたの眼を守ることはできます。それには、美味しい旬の食材がとってもいいんです!

大人の視力低下の原因第1位は“緑内障”です。これは、眼の中を循環している液体の圧力が高まり、眼を内側から押す力(眼圧)が上がって視神経に障害が起こる病気です。健康診断で眼圧をチェックするのはこのため。ただし、眼圧が正常でも緑内障になることもあるので、眼の検査はしっかり受けてくださいね。

さて、栄養の話です。植物などの鮮やかな色を出す天然色素のひとつに“ルテイン”というものがあります。これは「眼のビタミン」とも呼ばれており、眼圧を下げる効果が期待されています。また、失明のおそれがある“加齢黄斑変性”という病気にも有効とされています。

ルテインは緑黄色野菜に多く含まれ、特にほうれん草に多いとされています。しかし、ほうれん草ばかり食べるよりも、バランスの良い食事をこころがけ、ルテインの多く含まれる食品をまんべんなく食べるのが効果的です。ルテインの多い野菜やフルーツといえば、とうもろこしやズッキーニ、カボチャ、ほうれん草、オレンジパプリカ、きゅうり、えんどう豆、セロリ、ブドウ、キウイなど。季節を感じられる旬の野菜、食品が多いのですね。

えんどう豆は春に美味しく、豆ご飯で季節を感じられます。一年を通して手に入るキウイですが、旬は初夏のころ。夏野菜のパプリカやズッキーニを焼いて食べたり、きゅうりやとうもろこしを夏のおやつにしたりするのもいいですね。秋はブドウやカボチャ、冬はほうれん草が美味しい季節です。

そのほかにも、眼の細胞や粘膜を守るビタミンAの素になるベータカロテンは、秋から冬に美味しいカボチャや小松菜、ほうれん草、春のニラといった緑黄色野菜に多く含まれています。また、7~9月の夏の野菜モロヘイヤにも多いんです。さらに、ビタミンAには抗酸化作用もあり、眼の細胞や粘膜の代謝を助けてくれます。

ビタミンCは眼の水晶体の酸化を防ぎ、透明度を保ってくれる大切な栄養素です。ビタミンCたっぷりのキウイ、アセロラは初夏の5月、6月ごろからシーズンスタート。アセロラは10月ごろまで比較的長く食べられます。秋になると、9月ころから1月まで国産レモンにビタミンCたっぷりリレーは交代。寒い季節は同じかんきつ類のゆずを使った鍋物もいいですよね。

アミノ酸の仲間のタウリンは、タコやイカ、貝類に多く含まれ、疲労回復など眼の健康維持に役立ちます。イカはスルメイカだけでなく、春から初夏のコウイカ、夏に出回るアオリイカ、冬から春先にかけてのヤリイカなど、季節の味わいを楽しむだけでタウリンがたっぷり取れるんです。

普段の食事で季節の食材をまんべんなく食べて、美味しく眼を守りましょう。

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<参考文献>
■British Journal of Ophthalmology
『Fruits and vegetables that are sources for lutein and zeaxanthin:the macular pigment in human eyes』

■白鳥早奈英、板木利隆監修 高橋書店
『もっとからだにおいしい 野菜の便利帳』

■文部科学省
『日本食品標準成分表 2015年版(七訂)』

執筆 : 麓加誉子
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

1年を通じて、旬の食材を食べるようにしていない人は、視力が裸眼で0.7未満になりやすくなるリスクが2.25倍になります。

A: 1年を通じて、旬の食材を食べるようにしていますか?
B: 視力は裸眼で0.7未満ですか?

A
はい いいえ
68.9%
213人
31.1%
96人
B
はい いいえ はい いいえ
44.34%
137人
24.6%
76人
24.92%
77人
6.15%
19人
Z検定値 2.8
オッズ比 2.25
信頼度 99.4%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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