お腹をいたわる脱ジャンクフード生活
リスク
1.88倍

お腹をいたわる脱ジャンクフード生活

ジャンクフードをよく食べている人は、月に1回以上、腹痛になりやすくなるリスクが1.88倍になります。

解説

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突然おそってくる原因不明の腹痛。これから遊びに行こうと思っていた休日がだいなしなんていう経験はありませんか?

胃腸炎が流行っているとか、怪しい生ものを食べたとか、腹痛の原因に思い当たることはなし。しかも、やっかいなことに、繰り返し起きる腹痛の原因を探ろうと胃カメラを飲んでも、炎症などは見つからなかった、なんてことがあったりするんです。

もしも、お腹が痛いだけでなく、少ししか食べていないのに胃のあたりが張って苦しかったり、いつまでもお腹の中に食べものが残っている感じがしたら、あなたのお腹は毎日の生活習慣のせいで、想像以上に痛めつけられているかもしれません。謎の腹痛の原因は何なのか?その正体と腹痛が起きる理由を解説しましょう。

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炎症はなくても、痛みはあるんです

腹痛や胃もたれがよく起きたり、お腹が張る感じやみぞおちのあたりが焼ける感じがたびたびあってつらいのに、検査をしても炎症などの病気は見つからない…。実は、こんな人は想像以上に多くて、日本人の4人に1人はこうした症状を感じて困っている、ともいわれています。

こうした症状はこれまで“神経性胃炎”とか“慢性胃炎”のような、ややぼんやりしたイメージの病名がつけられていました。ですが、胃の炎症が起きていないのに胃炎というのはちょっと違う感じがしますよね。そこで、このような症状に困っているたくさんの患者さんのために、“機能性ディスペプシア”という新しい病名をつけることになりました。“機能性”というのは、「直接の原因になる悪いところは検査で見つからないけれど、症状はある」くらいの意味です。

新しく病名が決まると、新しい視点でものごとが見えてきます。症状や治療法が整理されて、症状がひどい人は病院に行けば、治療ができるようになりました。たとえば、胃がんの原因になるピロリ菌に感染している人は、薬を飲んでピロリ菌を減らすと、機能性ディスペプシアの症状が和らぐといいます。

病院に行って治療することはもちろん重要です。しかし、日常生活を送る中で、少し気をつけていれば機能性ディスペプシアの症状を感じる回数を減らしたり、腹痛を軽くしたりできるともっとよいですよね。機能性ディスペプシアの症状を和らげるには、食事の内容や習慣を見直すことが大切なんです。

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夜中のジャンクフードが胃を痛めつける原因に

腹痛などの機能性ディスペプシアの症状につながる食習慣の中で、特に気をつけたいのが油っこいもの、甘すぎるもの、刺激が強い食べもののとり過ぎです。こうした要素を合わせ持ったお腹に優しくない食べものといえば…ジャンクフードですね!

スナック菓子やインスタント麺、コンビニフードなどの油が多くふくまれる食べ物、ドーナッツやクッキー、チョコレート菓子などの甘いお菓子、トウガラシなどの強い香辛料や添加物の濃い味といった刺激が強い食べ物などなど。機能性ディスペプシアの患者さんの中には、「油っこいものを食べるとお腹が痛くなったり、満腹感や吐き気を覚えやすい」という人も少なくないといいます。

「食べ過ぎ」といっても、必ずしも量を食べているとは限りません。機能性ディスペプシアの患者さんは、食事の時間が不規則だったり、早食いする習慣を持っていたりすることも多いそうです。結果として、量は少なくても夜遅くに集中的に脂肪の多いものを食べてしまい、腹痛などといった症状が現れてしまうのです。

生活の質を悪くするような、つらい腹痛を予防するには、まずは脱ジャンクフード。油や砂糖、香辛料を減らすことと、早食いをしないように心がけることが大切です。そのためには、食習慣を見直して、バランスのよい食事をできるだけ規則正しく食べるようにするとよいでしょう。また、お酒の飲みすぎやタバコも症状を悪化させる原因になりますから、できれば避けて。

最後に、冬場に多い感染性胃腸炎で胃腸が弱った後には、機能性ディスペプシアの症状も出やすいそうです。胃腸炎にかかってしまったら、特に気をつけてお腹をいたわってあげてくださいね。

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<参考文献>
■日本消化器病学会
『機能性消化管疾患診療ガイドライン2014-機能性ディスペプシア(FD)』

■アステラス製薬
『機能性ディスペプシア(FD)』

編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

ジャンクフードをよく食べている人は、月に1回以上、腹痛になりやすくなるリスクが1.88倍になります。

A: ジャンクフードをあまり食べないようにしていますか?
B: 月に1回以上、腹痛になりますか?

A
はい いいえ
57.6%
166人
42.4%
122人
B
はい いいえ はい いいえ
18.75%
54人
38.89%
112人
20.14%
58人
22.22%
64人
Z検定値 2.58
オッズ比 1.88
信頼度 99.0%
集計数:288人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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