ファーストフードのせいでダルい!?
リスク
2.11倍

ファーストフードのせいでダルい!?

ファーストフードをよく食べている人は、食べないようにしている人よりも体のダルさや食欲不振を感じやすくなるリスクが2.11倍になります。

解説

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早く安く食べられるファーストフードは、便利でおいしいですよね。ですが、注文してから短い時間で食べられるファーストフードは、そのためにあらかじめ調理された状態で長く保存されています。保存中に傷まないように、保存料などの食品添加物が使われているのです。この食品添加物の問題をあらためて考えてみましょう。

食品添加物は、ヒトが食べても健康に影響のない基準量が決められています。とはいえ、その基準を決めるための毒性試験は、動物に対して行われます。ヒトが長い間にわたって摂取した場合の影響はわかっていないのです。

また、さまざまな添加物を一度に大量に摂取した場合に、どのような影響が起こるかも明らかになってはいません。実際、食品添加物によって、食欲不振やダルさを感じるという報告があります。ファーストフードを食べてすぐに健康に影響が出るわけではありませんが、ちょっとがまん!食べる量や頻度には気をつけた方がよさそうです。

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もうできた!早く安く提供できる理由

ハンバーガーやフライドチキン、ホットドッグなどのファーストフードは、注文から短い時間でできて手早く食べることができます。ときには『60秒で完成!』など、びっくりな早さもありますね。ですが、こうしたメニューが素早く、低価格で提供できる理由を知っていますか?

身近なハンバーガーを例にしてみましょう。ハンバーガーは、パティ(肉)、チーズ、ピクルス、レタスなど、さまざまな食材がバンズ(パン)にサンドされてできています。これらは海外の原材料で作られていたり、海外で加工さている場合が多いのが現状です。

そして、短い時間でお客様に提供するためには、海外である程度まで調理された状態に作り上げられます。しかし、海外から日本に運ぶまでの間に細菌が繁殖しては困ります。そこで、保存期間を長くするために保存料などの食品添加物が使われているのです。

ハンバーガーも牛丼も、油脂をたくさん使っていてカロリーが高く、健康によくないということはよく知られています。ですが、それだけではなく、素早く提供するための根本的な要因、つまり食品添加物が問題なのです。

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ファーストフードは、ちょっとがまんが必要!?

食品添加物によって、食欲不振やダルさを感じるという報告がされています。「でも、食品添加物は検査して安全なものしか使ってはいけないのでは?」と思いますよね。確かにその通りです。食品添加物は動物に対する毒性試験を行います。そして動物が摂取しても問題ない量の、さらに100分の1の数値から、私たちヒトが食べても健康に影響のない基準量が決められています。

毒性実験の種類は、発がん性試験や遺伝子への影響を調べる試験などさまざまです。そして、それらすべての試験をクリアしなくてはなりません。しかし、動物であれば何年も、何世代にもわたって長期の試験をすることができますが、ヒトに対してそうした試験はできません。それだけではありません、さまざまな添加物を一度に大量に摂取した場合にどのような影響が起こるかは明らかになってはいないのです。

食品添加物は、少量であれば身体に影響が出ないことは検証されています。ですから、ファーストフードを食べたからといって、すぐに身体へ影響が出るわけではありません。また、私たちヒトは不要な物質を排泄して身体の外に出す代謝機能を持っています。

身体に不要な食品添加物もいずれは排出されていきます。しかし、食べすぎれば、その大切な代謝機能にも負担がかかります。代謝機能がうまく働かなくなっては、安全な添加物であっても問題が出てくるかもしれません。

そうならないように、やはり、ファーストフードには「ちょっとがまん」が必要。ファーストフードを食べる量や頻度には気をつけましょう。

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<参考文献>
■厚生労働省 食品添加物
『よくある質問(消費者向け)』

■厚生労働省
『棚元憲一: 食品に関するリスクコミュニケーション 〜食品添加物及び輸入食品の安全確保について〜資料2食品添加物の安全性確保』

■東京都福祉保健局
『食品添加物の使用基準と成分規格』

執筆 : 管理栄養士キクチエミコ
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

ファーストフードをよく食べている人は、食べないようにしている人よりも体のダルさや食欲不振を感じやすくなるリスクが2.11倍になります。

A: ファーストフードをあまり食べないようにしていますか?
B: 人よりも体のダルさや食欲不振を感じていますか?

A
はい いいえ
62.5%
180人
37.5%
108人
B
はい いいえ はい いいえ
13.19%
38人
49.31%
142人
13.54%
39人
23.96%
69人
Z検定値 2.78
オッズ比 2.11
信頼度 99.4%
集計数:288人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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