「ラーメン完食・完飲」は肥満のもと!?
リスク
2.85倍

「ラーメン完食・完飲」は肥満のもと!?

ラーメンを食べるとき、スープを最後まで飲む人は、BMIの数値が標準値を上回るリスクが2.85倍になります。

解説

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ラーメンは太りやすい!でも鶏がらスープやしょうゆ味のラーメンは「それほどカロリーは高くないから大丈夫」。ほんとうにそうなのでしょうか?

ラーメンには油、つまり脂肪が多く入っています。その脂肪が、1食あたりのエネルギーにどのくらいの割合を占めるのか?が問題なのです。中華そば一杯のうち脂肪のカロリーはおよそ4割です。とんこつラーメンだと4~5割になります。お店によって違いはありますが、1杯900Kcal近い坦々麺ではなんと半分、450Kcal分が脂肪なのです!

ラーメン1食分のエネルギーはそれほど高くはありません。でも、安心してはいけません。脂肪の割合の多い食事は体重や健康によくないのです。ラーメンはおいしい。だから、たまには食べることもあるかもしれませんが、スープは飲んじゃダメ!せめて、スープにたっぷり溶けた脂肪はとらないよう「完食・完飲」はやめましょう。

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カロリーだけで考えちゃダメ!

ラーメンはカロリーが高くて太りやすい!でも「鶏がらスープやしょうゆ味ならそれほどカロリーは高くないから大丈夫」と思っていませんか?ほんとうにそうなのでしょうか?

実際にラーメン店の栄養成分表を見ると、シンプルなラーメン(中華そば)のエネルギーは600~700Kcalくらいです。これは成人の1日に必要なエネルギー量の3分の1以下。エネルギーだけ見れば、とても太りやすい、とまではいえないかも、と思いますよね。

でも、安心するのは早い!食事と健康を考えるとき、総エネルギー(カロリー)だけで考えてはダメなのです。なぜなら、脂肪の割合が多い食事は肥満のもと。また、糖尿病、血管の病気にもなりやすくなるからです。

食事全体のエネルギーの中の、脂肪の割合(脂肪エネルギー比率)を考えることが大事なんです。日本人の場合は、脂肪は2~3割くらいまでがよいそうです。また「総エネルギーの中で脂肪の占める割合が低い人は、体重が低い」こともわかっています。脂肪の量ととり方は、体重や健康に大きく影響するのですね。

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ラーメンの半分は脂肪!?

普通のラーメン1食あたりに入っている脂肪は、総エネルギーの4割を超えることがあります。ラーメン1食の半分が脂肪だなんて!ラーメンはどうしても脂肪に偏った食事になりがちなのです。

ラーメンのスープには、スープの材料やトッピングのチャーシューなどから溶け出した脂、調味油などがたくさん入っています。とんこつスープでは脂肪がさらに多くなります。

ちょっと気がつきにくいのが、坦々麺のように調味油を多く加えるタイプ。実はエネルギーの5割以上を脂肪が占めています。びっくりですね。「ラーメンの半分は脂肪でできている!」それでも食べたいときには、スープは飲んじゃダメ!脂肪のとり過ぎを抑えましょう。

ラーメンはもともとビタミンや食物繊維などが不足しがちの食事です。塩分が多く高血圧につながりやすいことも心配です。だから健康的な身体のためにはちょっと我慢。ひんぱんに食べないほうがよさそうです。

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<参考文献>
■菱田明、佐々木敏監修 第一出版
『日本人の食事摂取基準 2015年版』

編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

ラーメンを食べるとき、スープを最後まで飲む人は、BMIの数値が標準値を上回るリスクが2.85倍になります。

A: ラーメンを食べるとき、スープを最後まで飲みきらないようにしていますか?
B: BMIの数値は標準値を上回っていますか?

A
はい いいえ
72.6%
209人
27.4%
79人
B
はい いいえ はい いいえ
14.58%
42人
57.99%
167人
11.46%
33人
15.97%
46人
Z検定値 3.74
オッズ比 2.85
信頼度 99.9%
集計数:288人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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