糖質摂取と花粉症
リスク
1.97倍

糖質摂取と花粉症

キャンディ(飴)をよく食べている人は、花粉症になりやすくなるリスクが1.97倍になります。

解説

日本人の3人に1人は花粉症!?

キャンディなどの砂糖がたっぷり入ったお菓子は、手軽でついつい手が伸びてしまいますよね。しかし、砂糖の取りすぎは、花粉症などのアレルギーを引き起こしたり重症化させたりするので要注意なんです!

「花粉症」ときいただけで鼻がムズムズしたり、くしゃみや鼻水が出たりする症状を思い出して憂うつになりますよね。花粉症はごく一般的なアレルギー症状で、少し前の2008年の調査によると日本人のおよそ3割、3700万人以上の人が何らかの花粉症を持っているといいます。

花粉症の原因となる植物は実は50種類以上あります。代表的なのは2月~5月ごろスギやヒノキの花粉が飛ぶ春に発症するもの。原因となる花粉が飛ぶ季節だけ症状が出るため、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。アレルギーの原因であるほかのアレルゲンには、「カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、ヨモギ、シラカンバ」などがあります。初夏のイネ科の草の花粉症や秋のブタクサ花粉症、北海道に多いシラカバ(シラカンバ)花粉症などで困っている人も少なくありません。

花粉症によるアレルギー性鼻炎の症状は、鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどの三大症状だけでなく、目のかゆみ、涙が出る、目が充血するなどの症状を伴う場合も多く、ほかにも喉や皮膚がかゆくなったり、熱っぽくのぼせた感じになることもあります。

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砂糖の取りすぎがアレルギー症状を悪化させる

なぜ花粉症の症状が出るのでしょうか。私たちの身体は、体内に入ってくるものが異物かどうか判断して危険な病原体などから身を守る機能を持っています。この外敵から身を守る防御機構が、花粉を異物(アレルゲン)と考えることが花粉症を発症する原因です。異物と判断すると、体内にあるリンパ球(アレルゲンを判断する司令官)が抗体(異物の混入を察知しアレルゲンに対抗する物質)を作ろうとします。この抗体ができると、次に花粉が体内に入ってきたときにそれを体外に出すように身体に指令を出します。くしゃみで吹き飛ばしたり、鼻水や涙で洗い流そうとする、これが花粉症のメカニズムなのです。

身体は、アレルギー症状を引き起こしてアレルゲンを外に出す働きだけでなく、過度なアレルギー症状を抑える仕組みもちゃんと持っています。ですが、タバコやアルコールなどによってこうした仕組みのバランスが崩れ、アレルギー症状がひどくなることがあります。

それだけでなく、キャンディなどの糖を多く含む食べ物を食べると血糖値が上昇します。通常であれば、上昇した血糖値はインスリンというホルモンによって、数時間後にはもとの血糖値に戻ります。しかし、糖を多く含む食べ物を頻繁に食べていると、血糖値が乱れやすくなります。その結果、抗アレルギー作用のあるホルモン、“コルチゾール”の分泌が低下してしまい、花粉症などのアレルギー疾患を引き起こしやすくなるのです。

キャンディやキャラメルなどは、仕事中や勉強中でも食べやすいお菓子です。ですが、気がついたらたくさん食べてしまった...ということも起きやすいもの。「なんとなく」で食べすぎて花粉症になったり重症化させてしまわないように、思い切って買うのをやめてもよいのではないでしょうか。

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<参考文献>
■協和発酵キリン株式会社
『花粉症とは』

■環境省
『花粉症環境保健マニュアル2014』

■溝口徹著 青春出版社
『アレルギーは「砂糖」をやめればよくなる! 』

執筆 : 管理栄養士キクチエミコ
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

キャンディ(飴)をよく食べている人は、花粉症になりやすくなるリスクが1.97倍になります。

A: キャンディ(飴)を食べないようにしていますか?
B: 花粉症ですか?

A
はい いいえ
43.0%
133人
57.0%
176人
B
はい いいえ はい いいえ
15.86%
49人
27.18%
84人
30.42%
94人
26.54%
82人
Z検定値 2.89
オッズ比 1.97
信頼度 99.6%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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