感動が足りないのは換気が足りないから?!
リスク
2.78倍

感動が足りないのは換気が足りないから?!

換気をするようにしていない人は、感動することが少なくなるリスクが2.78倍になります。

解説

感動できない理由のひとつ“シックハウス症候群”

『my healthy(マイヘルシー)』のアンケートでは、「換気」と「感動する」ことに関連がある、という結果が出ました。一見、このふたつは関係がなさそうな印象があります。どうしてこのような結果になったのでしょうか?

大きな原因と考えられるのは“シックハウス症候群”です。シックハウス症候群は家の中の空気汚染が原因で起きるさまざまな健康障害を指します。近年建てられた住宅には、シックハウス症候群を引き起こす原因となる化学物質を含んだ新建材が使われることもあります。さらに、壁紙やカーペットにもシックハウス症候群を引き起こす原因となる化学物質が含まれています。また、最近の住宅は気密性の高い構造をしているので、これらの化学物質が家にたまりやすくなっています。湿気などもこもりやすくなるので、カビやダニが繁殖しやすくなり、アレルギーなどの疾患を発症することもあるのです。

では、どうしてシックハウス症候群になると感動しにくくなるのでしょうか。シックハウス症候群の症状は多岐にわたります。たとえば目の痛みやかゆみ、鼻づまり、吐き気やじんましん、便秘や下痢、頭痛などです。

自宅は過ごす時間が長い場所なので、その間にこれらの症状があらわれたとすれば、日常生活に悪影響を与えることが予想できます。さらにシックハウス症候群には集中力の低下や眠気といった症状も含まれています。このような状態では、何かに感動することが難しくなります。

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化学物質がなくても換気は必要

では、家を建てるときにこれらの化学物質に気をつければ大丈夫なのでしょうか?実はそれだけでは十分とはいえません。人間が生活しているだけでも、室内の空気は汚染されているので気をつける必要があります。

人は、息や目に見えない汗などから水分を出し、周囲の湿度を上げています。また、呼吸によって空間の二酸化炭素の量を増やしています。石油ストーブなどの暖房やガスコンロなどの調理器具を使用すれば、さらに室内の二酸化炭素が増え、場合によっては通常0.04%である二酸化炭素の濃度が0.5%を超えることもあります。室内の二酸化炭素の濃度が高くなると、頭痛やめまいなどの原因となります。

では、実際はどのように換気をしたらいいのでしょうか。人間1人が1時間に必要とする空気は少なくとも20立方メートルです。家の大きさや住んでいる人の数によりますが、2時間に1回は換気を行うようにしましょう。

窓を開けて自然に換気を行う場合、2ヵ所以上の窓を対角線上になるように開けると効率よく換気することができます。暖房を使う冬場はとくに換気に注意する必要がありますが、寒いので回数が減ってしまいがちです。1時間に5分程度の換気時間を設けましょう。冬の乾燥した空気は暖まりやすいので、短時間で元の室温に戻るといいます。少しだけ寒さを我慢してきれいな空気を維持し、さまざまなことに感動できる日々を送りましょう。

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<参考文献>
■NPO法人シックハウス診断士協会
『シックハウスについて』

■横浜市衛生研究所
『室内の空気をよごす主な化学物質』

■札幌市
『健康で快適なくらしを!室内環境編その3』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

換気をするようにしていない人は、感動することが少なくなるリスクが2.78倍になります。

A: 換気をするようにしていますか?
B: 感動することが少ないほうですか?

A
はい いいえ
77.7%
240人
22.3%
69人
B
はい いいえ はい いいえ
18.45%
57人
59.22%
183人
10.36%
32人
11.97%
37人
Z検定値 3.66
オッズ比 2.78
信頼度 99.9%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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