エノキは睡眠不足の救世主だった
リスク
2.0倍

エノキは睡眠不足の救世主だった

月に1回以上、エノキを食べていない人は、眠りが浅くなるリスクが2.0倍になります。

解説

現代人が悩む睡眠の問題

ストレスが多く、忙しい現代人は、睡眠に関わる問題を抱えている人が多いといわれています。また、寝る直前までスマートフォンやパソコン、テレビなどを見ている人は眠りが浅くなると考えられています。

睡眠に関連する症状はさまざまですが、眠りたくても眠れない“不眠”はもっとも多く、日本国民の約20〜30%が不眠の問題を抱えているといいます。

睡眠に関わる問題のことを医学的には睡眠障害とよびますが、睡眠障害は日常生活や健康に悪影響を与えます。例えば、睡眠障害によって注意力や集中力の低下、倦怠感、意欲低下などを引き起こし、学業や仕事に支障が出ることなどが挙げられます。ミスも出やすくなり、ときに大きな事故につながることもあるのです。

眠れない人だけでなく、寝ているつもりでも質の良い睡眠がとれていない場合も同じ症状が出る可能性があります。厚生労働省が発表している健康指針(健康日本21)では、健康づくりのための睡眠や休養の重要性が記載されています。

51199

エノキの睡眠に対する効果

エノキ(えのきたけ)は、スーパーや八百屋で必ず目にすることがあるといってよいほど日本人にとって身近なきのこでであり、日本ではきのこ生産量の1位を占めています。エノキ自体にはクセがないため、鍋ものやすき焼き、炒めもの、酢の物、なめたけと呼ばれる味付けの瓶詰めなど、どんな料理でも活躍することができます。

エノキは食べやすい便利な食材というだけでなく、カロリーが低く、それでいて食物繊維やビタミンB、ミネラルを豊富に含むので健康にもよいといわれています。

特に、エノキに含まれているGABAやパントテン酸は、気持ちを落ち着かせてリラックスさせる効果が期待されています。また、エノキにはビタミンB群の1種であるナイアシンも含まれています。ナイアシンが不足すると体の中のセロトニンやメラトニンという睡眠に関わるホルモンの不足を引き起こします。そのため、エノキに含まれているナイアシンを摂取すれば、不足しているセロトニンやメラトニンを正常化することができ、睡眠障害を改善することができるのではないかと期待されています。

睡眠障害を改善する効果の他にも、エノキには、便秘の改善、免疫力の強化、ダイエット、疲労の回復、血圧の改善、動脈硬化予防、血行改善などの効果があると期待されています。どのような調理法でも食べやすいエノキを取りいれて、睡眠をしっかりとって健康を維持したいものです。

51200

<参考文献>
■文部科学省
『日本食品標準成分表 2015年版(七訂)』

■Journal of Nippon Medical School
『睡眠障害のトピックス:睡眠・覚醒リズム障害について』

■日本薬理学雑誌
『睡眠障害の治療』

執筆 : 医師 大塚真紀
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

月に1回以上、エノキを食べていない人は、眠りが浅くなるリスクが2.0倍になります。

A: 月に1回以上、エノキを食べていますか?
B: 眠りが浅いですか?

A
はい いいえ
66.7%
206人
33.3%
103人
B
はい いいえ はい いいえ
24.92%
77人
41.75%
129人
18.12%
56人
15.21%
47人
Z検定値 2.84
オッズ比 2.0
信頼度 99.5%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

関連記事

広告

my healthyは書籍や論文から集めた約28万通りの健康法を統計で厳選して、定期的に発信しています。