金縛りは睡眠障害。生活習慣も改善しよう
リスク
3.99倍

金縛りは睡眠障害。生活習慣も改善しよう

週に1回以上、卵の白身を食べていない人は、就寝中に金縛りにあうことが多くなるリスクが3.99倍になります。

解説

“金縛り”は霊のせいなんかじゃない?

“金縛り”というと、「夜中に寝床で身体が重くて動かず、何かに押さえつけられるような気がして、知らない人の影が…」といった恐怖体験で語られることから「霊のせい」などと怪談にされてしまうことがあります。ですが、本当にそんなことはあるのでしょうか?

実際には金縛りのことを“睡眠麻痺”といい、睡眠障害の症状のひとつとされています。つまり、病院で診断ができ、治療することができるのです。

睡眠麻痺は“ナルコレプシー”という睡眠障害を持つ人に多く現れる症状です。ナルコレプシーは、日中に耐え難い、強い眠気や居眠り症状が起きることが3ヶ月以上続くというものです。怒ったり驚いたり、強い感情を感じたときに身体の力が抜けてしまうという症状も起きます。10代〜20代前半の人に多く、実は世界の中でも日本はナルコレプシーを持つ人が多い国だとされています。

ナルコレプシーの人すべてに睡眠麻痺が起きるというわけではありません。また、ナルコレプシーとは関係なく睡眠麻痺が起きる人もいます。インドで報告された症例では、35歳の男性が睡眠麻痺に悩まされるようになり、以前は年に2〜3回だった症状が週に何回も起きるようになってしまいました。身体が重い感覚に加え、知らない女性がベッドのかたわらに立っている恐怖も経験したといいます。

この男性の場合、睡眠麻痺は不眠症の悪化とともにひどくなったといい、お酒をやめていたにも関わらず、また飲酒をするようになってしまいました。こうした睡眠麻痺のみの症状は、うつ病と関係があるのではないかとも考えられています。

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睡眠麻痺を改善するには

睡眠麻痺はこのように睡眠障害の病気と関連があるため、もとになった病気の治療をすることが基本になります。すでに診断を受けている人は、医師の指導に沿って服薬や生活習慣の改善をしましょう。

NHS(イギリス健康保険制度)によれば、睡眠麻痺の症状の改善は基本的には不眠症の改善と同じです。「6〜8時間程度の適度な睡眠をとる」「眠りやすい環境を整え、毎日できるだけ同じ時間にベッドに入り、朝起きるようにする」「重たい夕食や喫煙、飲酒を避け、寝る直前にカフェインを取り過ぎないようにする」「適度な運動」です。

こうした良い睡眠習慣に加えて、大切なことが食事の習慣です。日本で2000人以上の労働者の食生活と睡眠症状との関係を調査した報告によると、不眠の症状をほとんど感じない「ヘルシーパターン」の人の食生活では、野菜やキノコ、芋、海藻や大豆製品と卵をよく食べていたといいます。

卵の白身には、よい睡眠をつくる良質のたんぱく質が豊富に含まれています。朝食に卵を食べる人も多いことから、不眠症を防ぐ規則正しい生活習慣として取り入れやすいですね。朝ごはんに卵を取り入れて、夜はよく眠れるよう生活を整えましょう。

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<参考文献>
■日本睡眠学会
『ナルコレプシーの診断・治療ガイドライン』

■Indian Journal of Psychiatry
『Isolated sleep paralysis』

■NHS choices
『Sleep paralysis』

■Sleep Medicine
『Dietary patterns and sleep symptoms in Japanese workers: the Furukawa Nutrition and Health Study.』

編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、卵の白身を食べていない人は、就寝中に金縛りにあうことが多くなるリスクが3.99倍になります。

A: 週に1回以上、卵の白身を食べていますか?
B: 就寝中に金縛りにあうことは多いですか?

A
はい いいえ
71.8%
222人
28.2%
87人
B
はい いいえ はい いいえ
2.27%
7人
69.58%
215人
3.24%
10人
24.92%
77人
Z検定値 2.89
オッズ比 3.99
信頼度 99.6%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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