解説
「身体がぐるぐると回っているような感じがする」「地に足が付いていないようなふわふわとした感じがする」あなたはこんな症状に悩まされたことはありませんか?
もし当てはまるならば、おそらくそれは睡眠不足が原因かもしれません。
私は健康的に6時起きしているわ、と思っている人でも、実は睡眠が足りていないかもしれないのです。2016年に発表された日本の研究では、普段の睡眠時間と身体が必要としている本当の睡眠時間の差を調査しました。すると、日ごろから平均7時間半くらいは寝ていて、「十分に睡眠時間がとれている」と思っていた健康な男性でも、実際に身体が必要としている睡眠時間は8時間以上だったことがわかりました。
この調査から、昼間にそれほど眠気を感じて困ったことがなくても、実際には1時間程度の自覚しにくい睡眠不足がたまっている可能性がわかりました。こうした睡眠不足を“潜在的睡眠不足(睡眠負債)”と呼び、血糖値やストレスホルモンなどの値にもマイナスの影響を与えているといいます。
では大人の望ましい睡眠時間はどのくらいなのかというと、潜在的睡眠負債の研究では本当に必要な睡眠時間は平均8時間25分でした。National Sleep Foundation(米国立睡眠財団)の報告でも7~9時間だといいます。意外と長いですよね。6時間睡眠の場合、「人によっては足りる」というくらい。少なくとも、6~7時間はしっかり眠れている最低ラインみたいです。
しかし、何かと忙しかったり、やることが沢山あったり、人との付き合いや仕事や勉強など、早く寝ようと思ってもなかなか難しいと思います。ですので、ほんの少しでも寝る前の行動を早くしてみたり、より早く布団に入れるよう努力することが大切です。
いくら忙しくても、睡眠不足でめまいなどが起きたら元も子もないですよね。しっかりと睡眠を取り健康的な身体を維持しましょう!

<参考文献>
■National Sleep Foundation 米国立睡眠財団
『How Much Sleep Do We Really Need?』
■国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター (NCNP)
『「潜在的睡眠不足」の解消が内分泌機能改善につながることを明らかに』
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
睡眠時間を6時間~7時間以上取っていない人は、めまいが起きるリスクが2.04倍になります
A: 睡眠時間は6時間~7時間ですか?
B: めまいが起きやすいですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
41.7%
120人 |
58.3%
168人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
10.42%
30人 |
31.25%
90人 |
23.61%
68人 |
34.72%
100人 |
Z検定値 | 2.73 |
---|---|
オッズ比 | 2.04 |
信頼度 | 99.3% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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