手汗で困っているならキュウリを食べよう!
リスク
2.31倍

手汗で困っているならキュウリを食べよう!

月に1回以上、キュウリを食べていない人は、手のひらに汗をかきやすくなるリスクが2.31倍になります。

解説

手汗で困るのは手掌多汗症という病気

緊張をすると、手に汗をかくことがありますね。これは誰でもありうることです。汗を分泌する汗腺は、交感神経が活発になると刺激されます。交感神経は緊張するなどの精神的なストレスによって優位に働くようになるので、緊張すると手のひらに汗をかくようになるというわけです。しかし、なんでもないときに手汗をかくと、手がすべる、手に持った紙が湿る、握手ができないなどといったように、日常生活でとても困ることになります。

緊張しやすい人では、手に汗をかくことでさらに緊張が増してしまい、さらに大量の汗が出てしまうといったよう悪循環に陥ってしまうこともあります。

普段の生活が困るほど手汗をかくことを、医学用語で“手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)”といいます。ひどい人では汗が手からしたたるほどになります。病院に行くと、交感神経の働きを抑える安定剤や、汗の出口を防ぐ塗り薬を処方されることがあります。

さらに、手のひらにボツリヌス菌がつくるボツリヌス毒素を注射するという治療法もあります。ボツリヌス毒素は、手のひらの汗腺の働きを調節している交感神経の伝達をブロックする作用があり、1回の注射で半年ほど効果があります。安定剤や塗り薬、ボツリヌス毒素の注射による治療でも症状が改善されない場合、手のひらの汗腺を調節している交感神経を手術で切断してしまうという治療法もあります。

手汗で手術となると大げさに思うかもしれませんが、手術をしてでも治したいと思うほど困る人もいるのですね。

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まず手汗に試してほしいキュウリ

そこまでではないけれども、手汗で困っている人に試していただきたいのがキュウリを食べてみることです。キュウリには身体を冷やす効果があります。夏のお祭りで冷やしキュウリが売られているのを見たことがあるかもしれませんね。これは夏を快適に過ごすための昔からのアイデアです。

キュウリなどの身体を冷やす野菜には、カリウムが多く含まれています。カリウムは多くても少なくても身体に悪影響が出るので、かなり厳密に身体の中で調節されています。もしカリウムをたくさん取ると、身体は尿を増やしてカリウムを排出しようとします。このとき、尿と一緒に熱を捨てることになるので、身体に熱がこもるのを防いでくれるのです。

このようにして、軽い手汗であれば改善効果が期待できます。キュウリ以外に、トマトやスイカなどでも同じ効果を得ることができます。

野菜に含まれるカリウムはゆでたり、切って水にさらしたりすると減ってしまうので、調理方法には気をつけましょう。また、腎臓が悪い人はカリウムが体内にたまってしまうので、適切な量についてお医者さんと相談するようにしてください。

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<参考文献>
■タニタの健康応援ネット からだカルテ
『体温を下げる食材、上げる食材』

執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

月に1回以上、キュウリを食べていない人は、手のひらに汗をかきやすくなるリスクが2.31倍になります。

A: 月に1回以上、キュウリを食べていますか?
B: 手のひらに汗をかきやすいですか?

A
はい いいえ
68.9%
213人
31.1%
96人
B
はい いいえ はい いいえ
15.21%
47人
53.72%
166人
12.3%
38人
18.77%
58人
Z検定値 3.19
オッズ比 2.31
信頼度 99.8%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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