解説
食事はまず野菜から
食後のだるさ、眠気などの症状に常日ごろ悩まされるとつらいものですね。これは体質ではなく、食事の内容や食事の取り方が原因であることが多いようです。
丼ものやラーメン、パスタ、うどんなどの糖質を多く含む炭水化物を中心とした食事をした場合は特に、食後の倦怠感に悩まされることでしょう。炭水化物はガソリンのようにすぐにエネルギーとなるという長所があります。しかし、炭水化物を必要以上に食べすぎると、ボーっとしてしまうなどの症状が出る低血糖症になる場合があります。せっかく頭を働かせようと糖質を多く含む炭水化物を食べたのに、低血糖症でボーっとなってしまっては逆効果ですね。
それでは、あなたの食事の内容や食事の取り方について振り返って考えてみましょう。野菜は少なくありませんか?また、最初にお米や麺類を口に運んでいませんか?心当たりがある人も多いかもしれませんね。食事の内容や取り方を改善するために、まずは野菜や汁物、肉などのたんぱく質を食べ、それからご飯などの炭水化物へ、という流れを習慣化してみましょう。

ビタミンの補給
そして食後のだるさ解消には、ブロッコリーが効果絶大。ブロッコリーには、“クロム”というミネラルが豊富に含まれています。クロムは、お米や麺などの炭水化物を食べたときにその力を発揮します。クロムは糖の代謝に必要なミネラルです。また、食事を取ると、血糖値を下げるためにインスリンが分泌されるのですが、クロムはこのインスリンの働きを助けてくれます。ブロッコリーに含まれるクロムの量は野菜の中でも特に多いので、糖質の代謝を促して食後のだるさを解消するのにおススメの食材です。
また、食後にボーっととしやすい人は、ストレスが原因で低血糖症になりやすいことも考えられます。ブロッコリーにはビタミンCも含まれているのですが、ビタミンCには抗ストレス作用があります。ビタミンCはストレスに打ち勝つビタミンというわけですね。ブロッコリーに含まれるビタミンCの量はレモンの2倍!ブロッコリーたった4房で1日分を取ることができます。そのほかにも、ブロッコリーに含まれているカロテンには粘膜を修復・保護する役割があり、ストレスで負担がかかりやすい膵臓や胃腸などを健康な状態に保ちます。

ファイトケミカルの力
“ファイトケミカル”は野菜に含まれる化学物質です。ファイトケミカルの種類はたくさんありますが、いずれも抗ストレス作用、抗ガン作用、花粉症改善など、さまざまな効能があります。特に抗酸化作用はビタミンを上回るほどの効力ともいわれています。ブロッコリーは、ファイトケミカルを豊富に含む野菜の代表格。なんとブロッコリーは200種以上の抗酸化物質を含んでいるのです。

茹でるより蒸す
ブロッコリーにはビタミンが豊富に含まれていますが、茹でることによってビタミンが水に溶けだしてしまいます。茹でるより蒸す、またはスープの具にするなどして、茹で汁も食べられるように調理するのがおススメです。また茎を捨ててはもったいない!房と同じ位の栄養価があるので丸ごと調理してください。
そして何よりも腹八分目を心がけましょう。

<参考文献>
■香川明夫監修、女子栄養大学出版部
『七訂 食品成分表2017』
■白澤卓二著、ベストセラーズ
『「砂糖」をやめれば10歳若返る! 』
■蒲原聖可著、マキノ出版
『ファイトケミカルで病気を防ぐ—ベータカロチン、リコピン、ポリフェノールなど話題の成分の薬効を解説』
編集 : 日本健康情報センター
統計データ
月に1回以上、ブロッコリーを食べていない人は、満腹時にだるさを感じやすくなるリスクが2.45倍になります。
A: 月に1回以上、ブロッコリーを食べていますか?
B: 満腹時にだるくなることがありますか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
67.3%
208人 |
32.7%
101人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
17.15%
53人 |
50.16%
155人 |
14.89%
46人 |
17.8%
55人 |
Z検定値 | 3.55 |
---|---|
オッズ比 | 2.45 |
信頼度 | 99.9% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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