解説
どうしてたくさん食べてしまうの?
1日を振り返ると、朝ご飯、昼ご飯、夜ご飯以外にも何か食べ物を口にしていませんか?食事、とは認識していなくても、実際には食事と同じ程度のカロリーのおやつや夜食を食べてしまっているかもしれません。「さっき食べたばかりなのに、またお腹が空いてしまい食べてしまう…」どうしてそうなってしまうのでしょうか?
私たちは食事、特に糖質をとると血糖値が上がりすぎないように身体がそれを調節します。腸から吸収された糖質に反応して、すい臓からインスリンが放出されるのです。ところが糖質の多い食事を短時間でとると、血糖値は一気に上昇してします。するとあわてて血糖値を下げるインスリンが放出されます。
このため血糖値はすぐに下がるのですが、血糖値が下がった後もインスリンが残るので、今度は血糖値が下がりすぎてしまいます。血糖値が下がると、身体は食事する前と同じ状態、つまり空腹感を覚えるようになります。そのため、食事をしたのに、またすぐに食べたくなってしまうのです。

過食を防ぐには?
この状態を簡単に改善する方法は、時間をかけて食事をゆっくりすることです。目安として1食に20分以上かけましょう。実際に食事の時間を測ってみると、20分はとても長く感じると思います。最近の食事は柔らかく、食べやすく、消化の良いものが多いので、それほど時間をかけなくても食べられてしまうのです。また、仕事が忙しくて昼の休憩時間が短かったり、夜遅く仕事から帰って寝る前に短時間で食べてしまったり、と生活を改善するのはなかなか難しいことですよね。
そこで海苔の出番です。食事に海苔を加えてみましょう。海苔はその1/3が食物繊維です。「野菜を最初に食べると太りにくい」という食べ方が話題になったことがありますね。野菜に含まれる食物繊維は、胃に入った食事をゆっくりと小腸に移動させる働きがあるため、血糖値が急激に上昇しないのです。
しかし、野菜は日持ちがしない上に値段が高く、毎日とり入れるのには難しい面もあります。そこで、保存がきいていつでも手軽に食べられる海苔の力を利用するのです。特に、海苔にだけ含まれる水溶性食物繊維の“ポルフィラン”は保湿力がとても高く、お腹で膨らむことで食べ過ぎも防いでくれます。1日3食で我慢できない人は食事に海苔をとり入れて、食事の最初に食べるようにしてみましょう。

<参考文献>
■山本海苔店
『海苔の栄養 うんちく』
■日本水産学会誌
『乾海苔に含まれる多糖含量とポルフィランの性質』
執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
週に1回以上、海苔を食べていない人は、一日の食事の回数が増えやすくなるリスクが6.22倍になります。
A: 週に1回以上、海苔を食べていますか?
B: 最近、一日の食事の回数(3回以上)が増えましたか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
51.4%
148人 |
48.6%
140人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
0.69%
2人 |
50.69%
146人 |
3.82%
11人 |
44.79%
129人 |
Z検定値 | 2.66 |
---|---|
オッズ比 | 6.22 |
信頼度 | 99.2% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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