健康維持の鉄則は「野菜から食べる」
リスク
1.89倍

健康維持の鉄則は「野菜から食べる」

食事を野菜から食べるようにしていない人は、人よりも健康状態に不安が起きやすくなるリスクが1.89倍になります。

解説

野菜と血糖値の関係とは?

あなたは食事のとき、何から先に食べますか?ご飯やパンなどの炭水化物でしょうか?それとも、肉や魚などのたんぱく質でしょうか?いやいや、野菜から食べる、という人もいるかもしれませんね。

「何から食べても、摂取する合計のカロリーは結局同じなのだから、何も身体に影響はないはず」と思っている人も多いでしょう。ですが、食事を何から先に食べるかということは、実はダイエットにも健康維持にも関わってくるものなのです。

食事をすると血液中のブドウ糖の濃度が高くなります。これが血糖値といわれる数値です。血糖値が上がるとすい臓からインスリンが分泌され、ブドウ糖は身体で使えるエネルギーとなって利用できるようになります。しかし、インスリンの分泌が悪いと、このしくみがうまく働かず、血糖値が高いままの状態になり、血管が傷ついてしまいます。これが糖尿病や脳卒中、心臓病などの生活習慣病や、糖尿病により併発する、網膜症、腎症、神経障害など、さまざまな病気を引き起こす原因になるのです。

それでは、急に血糖値が上がらないようにするためには、食事の際にどのような順で食べればよいのでしょうか。そのコツは、最初に野菜から食べること。野菜には食物繊維が豊富に含まれており、糖の吸収をゆるやかにしてくれる効果があります。糖の吸収がゆるやかであれば、血糖値の急激な上昇を防ぐことができるのです。

一方で、食事をごはんなどの炭水化物から食べ始めると、急激な血糖値上昇を招きます。血糖値が下がるまで、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが分泌されるのですが、このインスリンは新たな脂肪の合成や、身体の中にある脂肪の分解を抑えます。つまり、太りやすくなるということですね。食べる順番は、「野菜、たんぱく質、主食」の順番をキープ。これが血糖値の急激な上昇を防ぐのに最も効果的で、健康にもダイエットにもおすすめな食べ方なのです。

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血糖値を上げにくい食べ方はGI値も決め手

血糖値が急激に上昇することを防ぐために、食事の最初は野菜からを基本にすると良いことをご紹介しました。それだけでなく、炭水化物が分解されて糖に変わり、血糖値を上昇させるスピードを数値にした、グライセミック・インデックス(血糖上昇指数、GI値)を考えて食べることも、とても重要です。GI値が高ければ血糖値の上昇が速い食品で、GI値が低ければ血糖値の上昇がゆるやかな食品ということになります。

一般的に高GIは70以上、低GIは55以下、中GIは56〜59といわれています。普段から食べている食品のGI値をある程度、覚えておくと安心です。たとえば、GI値高に入るのが白米(73)、食パン(71)、中くらいのものはうどん(62)、玄米(59)。そして主食の中でもGI値が低いのがそばの46です。こうしてみると白米よりは玄米の方がGI値が低いことがわかります。それだけでなく、糖質の代謝に必要なビタミンB1もとれますので、血糖値が高めの方は玄米がおすすめです。

食事の順番を考える場合にもGI値を意識したほうがよいでしょう。「サラダ」という名前であることからポテトサラダは野菜であると思ってしまいますが、ジャガイモは野菜類ではなく芋類に分類され、中でもジャガイモは高GI値食品のひとつです。同じく芋類のさつまいも、野菜の中では甘いカボチャも中程度のGI値となっています。GI値が低いのはトマトやブロッコリー、キャベツやほうれん草などです。サラダや温野菜、ほうれん草のソテーなどから食事を始めるとよいでしょう。

高GIの食品を食べると、血糖値は急激に上昇し、インスリンが大量に分泌されます。インスリンは脂肪の合成を促進する働きがあるため、インスリンが大量に分泌されることで太りやすくなります。さらに、肥満がすすむとインスリンが作用しにくくなり、糖尿病になる可能性が増えてしまいます。健康診断などで血糖値が高い場合は、血糖値を上げすぎないようにGI値を考えて食べることが大切になります。まずは、簡単にできることとして、「野菜から食べる」を実践してみましょう!

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<参考文献>
■大塚製薬
『GIについて学ぼう!』

■金本郁男著、監修 永岡書店
『低糖質ダイエット食べ合わせルールブック』

執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

食事を野菜から食べるようにしていない人は、人よりも健康状態に不安が起きやすくなるリスクが1.89倍になります。

A: 食事は野菜から食べるようにしていますか?
B: 人よりも健康状態に不安はありますか?

A
はい いいえ
61.5%
190人
38.5%
119人
B
はい いいえ はい いいえ
22.01%
68人
39.48%
122人
19.74%
61人
18.77%
58人
Z検定値 2.68
オッズ比 1.89
信頼度 99.2%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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