解説
イチゴには、健康維持パワーが豊富!
冬から春にかけて旬の果物といえば、イチゴを思い浮かべる方も多いでしょう。イチゴはビタミンCが多く、100g中に62mgも含まれています。ビタミンCが多く含まれる果物のトップ3は、アセロラ、グァバ、ゆず果皮です。しかし、手に入りやすさという点や食べやすさという点を考えると、イチゴはビタミンCが豊富な果物としておすすめの果物です。
成人が1日にとるとよいとされるビタミンCの量は100mgなので、イチゴをおおよそ8〜10粒ほど食べれば十分にクリアできます。ビタミンCは、抗ストレス作用や抗酸化作用があり、日ごろからストレスを多く感じている方、風邪をひきやすい方、たばこを吸っている方は意識してとりたい栄養素です。
また、イチゴには、ビタミンCと同様に抗酸化作用を持つポリフェノールや、老廃物の排出を促しやすくするカリウム、便秘予防になりコレステロールを下げる食物繊維など、ビタミンC以外の栄養素も豊富にしっかりと含まれています。

美肌や髪の健康にも期待できるビタミンC
ビタミンCが持っているのは、健康維持パワーだけではありません。ビタミンCには、肌のハリや弾力を作るコラーゲンの生成を助ける、紫外線から肌を守りシミを予防するなどの美肌作用もあるのです。特に女性にとっては嬉しいビタミンのひとつですね。
また、頭皮の健康状態も髪の状態に影響を与えます。たとえば、真菌(カビの一種)や皮脂が多い体質、ストレス、過労などといった要素によって、頭皮のフケ、炎症やかゆみ、地肌が赤くなったりする“脂漏性皮膚炎”という疾患なども、頭皮や髪にダメージを与えてしまいます。
脂漏性皮膚炎の治療には、ビタミンBやビタミンCが処方されることもあります。特にビタミンBは皮膚の状態を改善する働きがあるので、治療だけでなく脂漏性皮膚炎を予防する効果も期待できます。イチゴはビタミンCだけでなくビタミンBも含まれているので、頭皮の健康を維持するのにも効果を発揮しそうですね。
頭皮の皮脂が過剰に分泌される原因は脂漏性皮膚炎だけではありません。普段の食事で油っこいものや甘いものを食べることが多いと、体内の脂肪が増えて、頭皮の皮脂の分泌を多くしてしまい、髪の健康が損なわれてしまいます。髪の健康を守るためにも、普段からバランスの良い食事を心がけるようにしましょう。
この点でも、イチゴは100gあたりのカロリーが34kcal、イチゴ1個でおおよそ4〜5kcalと低カロリーです。ダイエット中に甘味が欲しい方には、甘いお菓子のデザートよりも、栄養素が詰まったイチゴがおすすめ。
イチゴは洗ってすぐに食べられるので、朝の忙しい時間に手軽に栄養素を補給できます。間食にもぜひ、イチゴをとり入れてみましょう。

<参考文献>
■菱田明、佐々木敏監修 第一出版
『日本人の食事摂取基準 2015年版』
■和歌山県 農林水産部農業生産局果樹園芸課
『今月の旬な味 いちご』
■文部科学省
『食品成分データベース』
■オムロン 健康コラム・レシピ
『カビが原因の脂漏性皮膚炎にご注意を』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
年に3回以上、イチゴを食べていない人は、人よりも薄毛になりやすくなるリスクが2.89倍になります。
A: 年に3回以上、イチゴを食べていますか?
B: 人よりも薄毛ですか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
76.1%
235人 |
23.9%
74人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
7.12%
22人 |
68.93%
213人 |
5.5%
17人 |
18.45%
57人 |
Z検定値 | 3.07 |
---|---|
オッズ比 | 2.89 |
信頼度 | 99.7% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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