解説
長い歴史がある味噌!栄養バランスに優れた万能調味料
最近なんとなく、イライラしたり気分が優れない、便秘がち、血行不良、腫れた感じするなど歯茎の状態がよくない…などの体調不良を感じていませんか?もしかしたら、その体調不良は、味噌汁を飲んでいない、もしくは飲む回数が減っていることが原因かもしれません。味噌汁を飲んでいない人は、このような体調不良のリスクが高くなる可能性があります。
味噌の歴史は大変古く、飛鳥時代の7世紀頃に中国や朝鮮半島から日本に伝わってきたとされています。味噌は、その時代から私たち日本人の食文化を支えてきた調味料といえます。味噌汁は、鎌倉時代に入ってから食卓に上るようになり、主食・主菜・汁物・香の物からなる一汁一菜のスタイルが確立されたといわれています。
味噌は、筋肉や血液、臓器などを作る必須アミノ酸やビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富に含んでいます。鎌倉時代でも味噌は栄養バランスに優れた携帯の栄養食として重宝され、現代まで長く受け継がれてきました。

味噌には体調不良を改善する嬉しい効果が!
味噌に含まれるイソフラボンという栄養素は、女性ホルモンのエストロゲンと似た構造をしており、イライラ、ほてり、のぼせ、頭痛、生理不順などの更年期にあらわれる症状を緩和してくれる効果があります。また、イソフラボンには美肌効果もあります。女性には嬉しい栄養素ですね。
味噌は発酵食品であり、乳酸菌が多く含まれています。ヨーグルトでもおなじみの乳酸菌ですが、乳酸菌は腸の調子を整えてくれる働きをしてくれます。味噌汁の腸を整える効果をアップさせるのにおすすめなのが、食物繊維が多い根菜類や海藻類などを味噌汁の具に加えること。特に便秘がちな方に試していただきたい食べ方です。
また、乳酸菌は歯周病など口の中の健康にもよいとされています。歯茎の調子がよくない方も、味噌汁を意識してとることを心がけましょう。
味噌の量が多く濃い味噌汁を飲むと、塩分のとりすぎにもつながりますので、多くても1日2杯程度までにとどめましょう。そして、塩分を排出するカリウムたっぷりの野菜をプラスして食べるようにしてください。
また、味噌には血行をよくするビタミンEが含まれています。味噌汁の温かさと味噌に含まれるビタミンEとの相乗効果で体がより温まりやすくなり、代謝もよくなります。冷えが気になる場合は、体を温める成分を含むネギやしょうがなどを入れるなど工夫するのもよいですね。

<参考文献>
■日本醸造協会誌
『お味噌の効能』
■マルコメ株式会社
『味噌の発祥と歴史』
執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
月に1回以上、味噌汁を飲んでいない人は、週に1回以上、体調不良になりやすくなるリスクが3.01倍になります。
A: 月に1回以上、味噌汁を飲んでいますか?
B: 週に1回以上、体調不良になりますか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
90.0%
278人 |
10.0%
31人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
12.3%
38人 |
77.67%
240人 |
3.24%
10人 |
6.8%
21人 |
Z検定値 | 2.71 |
---|---|
オッズ比 | 3.01 |
信頼度 | 99.3% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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