階段上り下り運動で体調不良を撃退!
リスク
2.27倍

階段上り下り運動で体調不良を撃退!

エレベーターやエスカレーターを使わないようにしていない人は、月に1回以上、体調不良になりやすくなるリスクが2.27倍になります。

解説

体調不良に隠れた病気

体調不良とはどんな症状が多いのでしょう。体調不良といっても、頭痛や頭が重い、めまい、身体がだるい、疲れがとれない、肩こりや腰などが痛い、胃腸のむかむか感や便秘などと、症状はさまざまですね。

こうした体調不良は、風邪の症状のように原因がはっきりしているものもあれば、原因がよくわからないこともあります。季節の変わり目で体調を崩したり、疲れがたまって不調を感じたりすることは誰にでもありますよね。ですが、体調不良といわれる症状の中には、糖尿病や高血圧のような生活習慣病が関連している場合もあるため、注意が必要です。

たとえば、糖尿病の初期では、自覚しやすい症状があまりないといわれています。しかし、「だるくて疲れやすい」「むやみに喉がかわく」「手足の冷えを感じる」「立ちくらみ」「便秘や下痢」といった症状がいくつか出ることがあります。これらの症状のひとつひとつは、誰しもたまには起こりうる体調不良の症状ですが、こうした症状がいくつか現れることで、病気の発見のきっかけになることもあるのです。

糖尿病などの生活習慣病を改善し、血糖値や血圧をコントロールして生きていくには、運動を習慣化して長く続けることが大切です。たとえば、糖尿病の運動療法では週に3日以上、1日あたり30~60分以上の「中強度(ややきついと感じる程度)」の有酸素運動が推奨されています。

運動によって血糖値の調節に関わるホルモンであるインスリンの働きが安定し、血糖値をコントロールすることができます。また、生活習慣病と関連が深い肥満や動脈の状態を改善して、生活習慣病による死亡リスクを減らすといった長期的な効果も得られます。

51188

「時間がない!」こんな人でも運動を続けるには?

運動が生活習慣病対策として大切とはいえ、運動を続けるための最大の障害は「続けにくい」ということでしょう。とくに、仕事や家事、勉強などで忙しい毎日を送っている人にとって、毎日運動する時間を取るのはなかなか難しいでしょう。

そこで、普段の生活で行うちょっとした運動や行動を少し変えて、運動の強度を上げてみましょう。おすすめなのは、いつもなんとなく使っているエスカレーターやエレベーターをやめて階段を活用し、「階段の上り下り」をすること。階段をゆっくり上るだけでもウォーキングと同じ程度の運動になります。さらに、階段をきびきびと速く上ると、ジョギング以上の運動になるのです。

厚生労働省は、生活習慣病を予防するために、週の運動の中で一定の時間はできるだけ身体をしっかり動かす活発な運動を取り入れるとよいとしています。活発な運動とは、早歩きや、軽いジョギング、ランニングなどの息がはずむ程度の運動を指します。そして、階段の上り下りは軽いジョギングと同じ程度の運動の強さで、週に合計で40分程度が目標となります。1回に階段を上る時間はほんの数分ですが、何度も階段を使えば、簡単に目標を軽く越えることができます。

さらに、階段をもっと活用すればフィットネスジムいらず、という研究もあります。カナダの大学の調査によれば、階段を使った高強度の踏み台昇降運動を1回60秒ずつ、休憩を入れて1日に10分間、週に3回行うと、血管の健康を示す数値が向上したといいます。

踏み台昇降運動は、一般にはあまり高すぎない台を使うとよいとされていて、市販の運動用の踏み台は階段のステップよりも低いものが多くなっています。これは、踏み台が高いと、運動の中でもきつい高強度の運動になるため。反対に高さのある階段を使って、積極的にきついと感じる運動を短時間行うことで、忙しい人でも効率的に運動ができるというわけです。

階段を使って運動量を増やすことで、生活習慣予防といった長期の健康効果だけでなく、運動で腸が適度に刺激されて便秘解消、といった効果も期待できます。階段優先の生活をすれば、駅ではエスカレーター付近の混雑を避けることもできますし、歩道橋を渡れば、いつもと少し違う高さから街を見渡し、新しい発見ができるかもしれませんね。

51189

統計データ

エレベーターやエスカレーターを使わないようにしていない人は、月に1回以上、体調不良になりやすくなるリスクが2.27倍になります。

A: エレベーターやエスカレーターを使わないようにしていますか?
B: 月に1回以上、体調不良になりますか?

A
はい いいえ
31.7%
98人
68.3%
211人
B
はい いいえ はい いいえ
9.39%
29人
22.33%
69人
33.33%
103人
34.95%
108人
Z検定値 3.18
オッズ比 2.27
信頼度 99.8%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

関連記事

広告

my healthyは書籍や論文から集めた約28万通りの健康法を統計で厳選して、定期的に発信しています。