解説
ジャンクフードとは
ジャンクフードは日本語に訳すと、「ガラクタのような食べ物」。いったいどんな食べ物なのでしょうか。英国の食品基準庁の定義では、ジャンクフードは高カロリー、高塩分あるいは多量の砂糖を含んだ食品とされています。一般的にはカロリーが高く、ビタミン・ミネラル・食物繊維が少ないといった栄養価の特徴があります。

ジャンクフードで下痢になる理由
『my healthy(マイヘルシー)』のアンケートでは、ジャンクフードを食べないようにしてない人は下痢になりやすいという結果が出ました。その理由の1つは、ジャンクフードによくつかわれている油。腸が弱い人は多めの油を摂取するだけで下痢をすることもあります。さらに、多くのジャンクフードは作られてから時間が経っているので、油が酸化して消化不良を起こしやすいのです。油が原因の下痢は、食べて数時間以内と比較的早く症状があらわれます。
2つ目の理由は香辛料。ジャンクフードは、濃い、刺激的な味で食べた人を虜にするためにさまざまな香辛料が使われています。しかし香辛料は腸を刺激してその動きを活発にしてしまうので、腸の中にある食べ物が十分消化されずに身体の外に出されてしまい、下痢になってしまいます。
また、唐辛子に含まれている辛み成分、カプサイシンは消化されずに肛門まで届きやすいという特徴があります。辛い物を食べると口がヒリヒリしますが、同じ粘膜である直腸でも同じような刺激を与えてしまい、下痢を引き起こすのです。
3つ目の理由としては食物繊維の不足があります。ジャンクフードばかり食べていると食物繊維が足りなくなります。食物繊維は便秘の解消に必要と考えられていますが、それだけでなく便を形作るのにも必要なのです。食物繊維が足りないと便は固形になりにくくなり、下痢になってしまうのです。

ジャンクフードの魔力
下痢で困っている人はジャンクフードを断ってみましょう。しかし、日常的にジャンクフードを食べている人がジャンクフードをやめるのは実は難しいことなのです。ジャンクフードが溢れているアメリカの研究では、ジャンクフードの中でも脂質の多い食べ物は、コカインやヘロインと同様に脳の快楽中枢を刺激し、幸福感を与えていると報告しています。
食欲は人間にとって基本的な欲求の1つであり、一度はまると抜け出しにくいのがジャンクフードです。下痢が起きるほどになってからジャンクフードを急いでやめる、というのは難しいかもしれません。ジャンクフードを食べることが習慣化してしまわないよう、「ついなんとなく」コンビニに寄ったり、週末にジャンクフードをまとめ買いするといった行動が続いていれば見直してみましょう。

<参考文献>
■Nature Neuroscience
『Addiction-like reward dysfunction and compulsive eating in obese rats: Role for dopamine D2 receptors』
執筆 : 医師 春田萌
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部
統計データ
ジャンクフードを食べないようにしていない人は、月に1回以上、下痢になりやすくなるリスクが2.09倍になります。
A: ジャンクフードを食べないようにしていますか?
B: 月に1回以上、下痢になりますか?
A | |
---|---|
はい | いいえ |
43.4%
134人 |
56.6%
175人 |
B | |||
---|---|---|---|
はい | いいえ | はい | いいえ |
13.92%
43人 |
29.45%
91人 |
28.16%
87人 |
28.48%
88人 |
Z検定値 | 3.11 |
---|---|
オッズ比 | 2.09 |
信頼度 | 99.8% |
- ・オッズ比
AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。 - ・信頼度
信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
(統計学のZ検定を使用)
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