魚のEPA、DHAと体臭の関係とは?
リスク
2.87倍

魚のEPA、DHAと体臭の関係とは?

月に1回以上、お刺身やお寿司を食べていない人は、人よりも自分の体臭が強くなりやすくなるリスクが2.87倍になります。

解説

体臭の強さは、身体の中の酸化が原因だった

月に1回以上、お刺身やお寿司を食べていない人は、体臭が強くなるリスクが高まるというアンケート結果が出ました。一見、お刺身やお寿司が体臭とどういった関係があるのか、不思議に思われるかもしれません。実は、お刺身やお寿司の“魚”がキーワードです。

魚に含まれるDHAやEPAは、活性酸素を取り除く強い働き(抗酸化作用)を持っています。この抗酸化作用は、中性脂肪を減らしたり、血液をきれいにしたりする働きがあるので、脂質異常症などの生活習慣病予防に効果があるとされています。体臭の原因となる臭いのもとは、過剰な活性酸素の発生によって増えることがあります。ですから、体臭を改善するためには、この活性酸素を減らすことが大切になるのです。

そもそも活性酸素とは、私たちが呼吸で酸素を取り込む際に自然と発生するもので、体内の細菌やウィルスを攻撃してくれる作用があり、必ずしも悪い物質ではありません。ですが、これが過剰に発生すると身体の中が酸化された状態になって細胞が傷つき、いわば身体の中が“錆びた”状態になってしまいます。このため、老化を促進させたり、ガンや生活習慣病を引き起こしてしまうのです。

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魚に含まれる成分に注目!強い体臭を予防する栄養素とは?

身体の中で酸化を起こすと、汗自体も酸化され、体臭が強くなってしまいます。この強い体臭を予防するためには食生活の見直しが大切です。

食の欧米化に伴い、魚や豆、野菜などの献立よりも、肉や揚げ物などの脂質が多い食事が増えてきています。脂肪には、“飽和脂肪酸”と“不飽和脂肪酸”の2種類がありますが、肉や動物性の脂には飽和脂肪酸、魚やえごま油、しそ油などの油脂には、不飽和脂肪酸が含まれています。不飽和脂肪酸の中でも、魚の脂には特に身体の酸化を防ぐ効果が高い、EPAやDHAなどの“オメガ3脂肪酸”が豊富に含まれています。

近年では、飽和脂肪酸が多い食事が増え、血管が詰まり体内の酸化が起こりやすくなっています。体臭予防だけではなく、生活習慣病予防のためにも、EPAやDHAが多い魚を食べるように心がけましょう。

魚の中でも、青魚の脂は、EPA、DHAの含有量が高くなります。EPAやDHAは、加熱すると脂が落ちるにつれて量が減ってしまいます。一方、生で食べると脂を落とさずに食べることができます。魚のEPAやDHAを効果的に取るには、お刺身やお寿司などがおすすめです。

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<参考文献>
■吉田美香監修、石川俊次監修 主婦の友社
『コレステロール・中性脂肪を下げる食事ハンドブック』

■厚生労働省 e-ヘルスネット
『活性酸素と酸化ストレス』

■サントリー 健康情報レポート
『体は日々“錆び”ています!「活性酸素と老化の関係」』

執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

月に1回以上、お刺身やお寿司を食べていない人は、人よりも自分の体臭が強くなりやすくなるリスクが2.87倍になります。

A: 月に1回以上、お刺身やお寿司を食べていますか?
B: 人よりも自分の体臭は強いですか?

A
はい いいえ
68.0%
210人
32.0%
99人
B
はい いいえ はい いいえ
5.83%
18人
62.14%
192人
6.8%
21人
25.24%
78人
Z検定値 3.12
オッズ比 2.87
信頼度 99.8%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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