リンゴは身体の疲れをとる魔法の果物
リスク
2.17倍

リンゴは身体の疲れをとる魔法の果物

週に1回以上、リンゴを食べていない人は、日中に眠気やだるさを感じやすくなるリスクが2.17倍になります。

解説

「1日1個のリンゴは医者いらず」とは?

「1日1個のリンゴを食べると医者にかからなくて済む」という言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。つまり、リンゴに含まれる栄養素には健康を維持できる効果を期待できるということです。

リンゴには、ビタミンAやビタミンC、カリウム、食物繊維などが豊富に含まれます。また、抗酸化作用のあるポリフェノールや疲れをとる効果を期待できるクエン酸も含んでいることが知られています。

酸化とは、体の中で過剰に産生された活性酸素が細胞を攻撃することを意味し、老化やがん、生活習慣病の原因となるといわれています。そのため、リンゴを食べるとポリフェノールが含まれるので老化を予防できる可能性があります。

また、リンゴに含まれるクエン酸には、疲労回復だけでなく、血流改善、食欲増進などの効果があることがわかっています。クエン酸は、身体の中のエネルギー源となる“ATP”という物質を作る“ATPサイクル”を活性化し、疲労によるダメージを回復させるのではないかと考えられています。

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クエン酸を効果的にとる方法

疲れやすい人は、リンゴに含まれるクエン酸をとると疲労回復効果を期待できるかもしれません。また、リンゴには脳のエネルギー源となるブドウ糖も含むため、頭がさえない、疲れやすいという方にはよりよい可能性があります。

クエン酸はほかにも、バナナやレモン、グレープフルーツなどに含まれています。クエン酸は酸味成分のひとつですから、酸っぱいものに多く含まれている可能性が高いのです。酸っぱいものが苦手な方は、ハチミツなどをかけて食べるのもおススメです。

クエン酸を効果的にとるポイントとしては、数回にわけて食べる、ビタミンB群と同時にとる、糖質と同時にとる、などが挙げられます。身体の中でATPサイクルは常に動いているので、一度に大量にとるよりも数回にわけた方がよいのです。

リンゴには、ビタミンBも糖質も含まれるので、クエン酸を効果的に摂取できる理想的な果物といえるでしょう。朝と夕にクエン酸を含むフルーツを食べてもよいでしょう。

クエン酸は、通常の調理方法による熱を加えるくらいでは、成分が壊れないことがわかっています。リンゴを煮たジャムやリンゴをのせたタルトでもクエン酸をとることはできます。ジャムやお菓子などによる、カロリーのとり過ぎが気になる方は、ぜひ生のまま食べてみてください。

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<参考文献>
■京都大学学位取得論文
『りんご由来ポリフェノール成分の特性に関する研究』

■東京家政大学研究紀要
『ラットにおける運動前のクエン酸および酢酸投与が血中乳酸値に及ぼす影響』

■ビタミン広報センター
『クエン酸もしくはレモン果汁摂取による運動後の血中乳酸消去の促進』

執筆 : 医師 大塚真紀
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に1回以上、リンゴを食べていない人は、日中に眠気やだるさを感じやすくなるリスクが2.17倍になります。

A: 週に1回以上、リンゴを食べていますか?
B: 日中に眠気やだるさがありますか?

A
はい いいえ
21.0%
65人
79.0%
244人
B
はい いいえ はい いいえ
8.74%
27人
12.3%
38人
47.9%
148人
31.07%
96人
Z検定値 2.76
オッズ比 2.17
信頼度 99.4%
集計数:309人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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