カロテンパワーで疲れを撃退
リスク
1.56倍

カロテンパワーで疲れを撃退

週に3回以上、緑黄色野菜を食べていない人は、人よりも疲れが取れにくくなるリスクが1.56倍になります。

解説

疲れの予防にカロテンが有効

緑黄色野菜とは、一般的にかぼちゃやにんじん、ブロッコリーなどの色の濃い野菜のことをいい、それ以外の野菜、例えば大根やきゅうり、レタスなどの色の薄い野菜は“淡色野菜”といいます。1日の野菜の目標摂取量は、緑黄色野菜と淡色野菜を併せて350g以上。そのうちおよそ3分の1の120gを緑黄色野菜で取るのが理想的です。こうした野菜には一定以上のカロテンが含まれています。

緑黄色野菜と淡色野菜の違いの1つとして、含まれるカロテンの量が挙げられます。緑黄色野菜にはビタミンの一種であるカロテンが豊富に含まれているのです。カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わるため、“プロビタミンA”ともいわれます。カロテンは、強力な抗酸化作用を持ち、活性酸素を排除し免疫力をアップさせる作用があります。ガンの予防、抑制、風邪や老化の防止、肌の正常化など、私たちの健康を維持する、優れたパワーを持つ栄養素なのです。

活性酸素そのものは、身体の中でウイルスや細菌をやっつけてくれる作用を持っています。ある程度は必要なものですが、増えすぎると血管を錆びつかせて老化を促進し、やがてガンや生活習慣病へとつながっていきます。近年、過剰な活性酸素により細胞機能低下や組織損傷が生じ、疲労が発生するというメカニズムが解明されてきています。この疲労の発生は体内の抗酸化作用を高めることで抑制できると報告されているのです。

つまり、抗酸化作用を持つカロテンが豊富に含まれている緑黄色野菜を日常的に食べていないと、疲れが取れにくくなるおそれがあるということですね。

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抗酸化作用が決め手!カロテン以外の栄養素にも注目

緑黄色野菜には、カロテンだけでなく同じように強い抗酸化作用を持つビタミンE、美肌効果や風邪予防にも効果があるビタミンC、代謝に関係するビタミンB群、腸内環境を整える食物繊維など、豊富な栄養素が含まれています。

日ごろ疲れが取れないとお悩みの方にとっては、緑黄色野菜のパワーは心強い味方です。忙しい現代社会では、手軽に食べられるジャンクフードや甘い菓子パンなど日常的に食事として食べることも多いでしょう。

こうした食事は炭水化物や脂質は多いのですが、糖質の代謝に関係するビタミンB1、脂質の代謝に関係するビタミンB6などは十分にとれないことがあります。すると、糖質や脂質をエネルギー源としてうまく燃焼することができず、疲れが回復しにくいばかりか、エネルギー源が余るため肥満にもつながっていまいます。ビタミンB群も緑黄色野菜に含まれますので、いろんな種類の緑黄色野菜をまんべんなく食べるように心かけましょう。

緑黄色野菜に含まれるカロテンは、油と一緒に調理すると吸収しやすくなります。炒め物や肉料理の付け合わせ、オイル入りドレッシングをかけるサラダのトッピングなど調理の際に適度な油を使うと効果的にとることができます。また、緑黄色野菜だけでなく淡色野菜も含めて、野菜の量を全体的に増やすことで生活習慣病を予防することもできます。野菜をしっかり食べて、疲れをすみやかにリフレッシュできる身体を作りましょう。

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<参考文献>
■大阪市立大学大学院 医学研究科 疲労医学講座
『疲労と活性酸素』

執筆 : 管理栄養士 高橋美枝
編集 : my healthy(マイヘルシー)編集部


統計データ

週に3回以上、緑黄色野菜を食べていない人は、人よりも疲れが取れにくくなるリスクが1.56倍になります。

A: 週に3回以上、緑黄色野菜を食べていますか?
B: 人よりも疲れが取れにくいほうですか?

A
はい いいえ
71.2%
736人
28.8%
297人
B
はい いいえ はい いいえ
36.69%
379人
34.56%
357人
17.91%
185人
10.84%
112人
Z検定値 3.15
オッズ比 1.56
信頼度 99.8%
集計数:1033人
  • ・オッズ比
    AをしないとBになるリスクがX倍になることを示しています。
  • ・信頼度
    信頼度はデータの関連性の正しさを表しています。
    (統計学のZ検定を使用)
    >数値の見かたはこちら

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